北海道大学大学院理学研究院の伊藤秀臣准教授の研究グループは、環境ストレスで活性化するシロイヌナズナの転移因子(トランスポゾン)の制御機構について明らかにしました。
トランスポゾンのサイレンシング機構には、RNA-directed DNA methylation (RdDM)経路が必須であり、DRD1、DMS3、RDM1からなるDDR複合体はRdDM経路の必須構成要素であることが知られています。シロイヌナズナで同定されたONSENは37℃の熱ストレスで活性化するレトロトランスポゾンですが、その制御に関する研究は限られていました。
本研究では、シロイヌナズナにおけるDDR複合体によるONSEN活性の制御を解析しました。その結果、DDR複合体のいずれかの構成要素を欠損させると、ONSENの転写レベルが上昇することを明らかにしました。さらに、DDR複合体構成要素であるDRD1、DMS3、RDM1は、ONSENの転写と転写の抑制に独立した役割を果たすことが分かりました。さらに、熱ストレスの持続時間がONSENの活性に影響を与えることを見出しました。
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伊藤秀臣准教授による解説はこちら(生物科学科/生物学のページ)をご覧ください。