研究ニュース

RNA指令型DNAメチル化によるトランスポゾン転移制御機構を解明環境ストレス応答で活性化するトランスポゾン制御機構についての新しい知見

【ポイント】

  • DDR複合体のいずれかのタンパク質を欠失させると、ONSENの転写量が上昇。
  • ONSENの活性には熱ストレスの継続時間が影響。
  • DRD1がDDR複合体依存的なONSENの転移制御に重要な役割。

【概要】
北海道大学大学院理学研究院の伊藤秀臣准教授の研究グループは、環境ストレスで活性化するシロイヌナズナの転移因子(トランスポゾン)の制御機構について明らかにしました。

トランスポゾンのサイレンシング機構には、RNA-directed DNA methylation (RdDM)経路が必須であり、DRD1、DMS3、RDM1からなるDDR複合体はRdDM経路の必須構成要素であることが知られています。シロイヌナズナで同定されたONSENは37℃の熱ストレスで活性化するレトロトランスポゾンですが、その制御に関する研究は限られていました。

本研究では、シロイヌナズナにおけるDDR複合体によるONSEN活性の制御を解析しました。その結果、DDR複合体のいずれかの構成要素を欠損させると、ONSENの転写レベルが上昇することを明らかにしました。さらに、DDR複合体構成要素であるDRD1、DMS3、RDM1は、ONSENの転写と転写の抑制に独立した役割を果たすことが分かりました。さらに、熱ストレスの持続時間がONSENの活性に影響を与えることを見出しました。

本研究の結果は、RdDM経路におけるDDR複合体のレトロトランスポゾン制御機構に新たな知見を与えるものです。

なお、本研究成果は、2022年12月21日(水)公開のFrontiers in Plant Science誌に掲載されました。

論文名:Regulatory mechanism of a heat-activated retrotransposon by DDR complex in Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナにおけるDDR 複合体による熱活性型レトロトランスポゾンの制御機構)
URL:https://doi.org/10.3389/fpls.2022.1048957

詳細はプレスリリースをご覧ください。

◆伊藤秀臣 准教授による解説はこちら