大学院理学研究院の上野貢生教授と電子科学研究所の三澤弘明特任教授らの研究グループは,道内に研究所を持つイムラ・ジャパン株式会社(愛知県刈谷市,取締役社長:田内比登志)と共同で,シリコン薄膜太陽電池内に閉じ込めた光とプラズモンとの相互作用を巧みに利用して周囲の屈折率変化に対して鋭敏に電子信号を変化させる新しい原理を見出し,太陽電池とプラズモンとを結合させた革新的バイオセンサーの開発に成功しました。開発したプラズモンバイオセンサーに抗体を化学修飾し,抗原である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のヌクレオカプシドタンパク質を反応させたところ,2分程度で大きな電気信号の変換が観測され,抗原を定量的に計測可能であることを明らかにしました。
今回開発したプラズモンバイオセンサーは,光を閉じ込める機能を持つ薄膜太陽電池をプラズモンと結合させたため,プラズモンと生体物質とが相互作用すると太陽電池の発電効率が大きく変化して高感度な検出及びシステムのコンパクト化が可能になりました。本技術は将来,服のように身に付けられるバイオセンサーへの応用が期待されます。
詳細は理学研究院>研究ニュースをご覧ください。