理学研究院のシエダ・ルバイヤ・ナスリン博士研究員,角五 彰准教授らの研究グループは,細胞骨格である微小管が,力学ストレスを感知しモータータンパク質の運動性を変調するメカノセンサーとして機能することを明らかにしました。
微小管のメカノセンサーとしての機能をモータータンパク質であるキネシンの運動性を高解像度の観察システムである高速原子間力顕微鏡を用いて分子レベルで解明しました。
その結果,微小管に沿って運動するキネシンは,微小管の屈曲等の構造的な変形により運動性を変化させるということを明らかにしました。また全原子分子動力学シミュレーション研究によって,運動速度を変化させる機構は,微小管の微小な構造変化がキネシンと微小管の結合親和性を変化させることによるものであることも明らかにしました。これらの結果は,微小管が,力学ストレスを感知しモータータンパク質の運動性を変調するメカノセンサーとして機能するという直接的な証拠であり, 世界初の報告になります。
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