同窓会長挨拶

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会長 永井 隆哉

同窓生の皆様、日頃より理学部同窓会の運営にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。2025年4月より理学部長・理学研究院長を拝命いたしました地球惑星科学部門の永井隆哉です。 網塚浩前会長の後任として理学部同窓会長を務めることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。 

本年、理学部は1930年の創立から96年目を迎えました。私自身、2021年の彩:理学部創立90周年特別号編纂に携わった際には、100周年はまだ先のことと感じておりましたが、いよいよその節目が視界に入ってきました。同窓会長として、この理学部の歴史を紡いできた皆様との絆をさらに深め、一丸となって北大理学のさらなる発展に尽力してまいります。 

まず、昨年度末から本年度初めにかけての理学関連の人事異動について、ご報告いたします。理学研究院においては、数学部門の岩﨑克則特任教授、物理学部門の北孝文教授および根本幸児教授、地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎特任教授、先端生命科学研究院においては、先端融合科学研究部門の西村紳一郎教授が、3月をもって退職されました。先生方の長年の教育、研究、大学運営へのご貢献に対して深く感謝いたします。一方、4月付けで昇任した物理学部門の瀬戸治教授、研究院長付の大津珠子教授と中冨晶子教授には、今後のさらなる活躍を期待しております。また、教授以外にも多くの教職員が退職・着任・昇任しました。すべての方をご紹介することは叶いませんが、同窓会への変わらぬご支援、そして新たなご縁をいただけますと幸いです。 

また、理学部関係者は、北海道大学の運営にも積極的に関与し、全学組織運営の中核を担う副学長・総括理事に山口淳二元生命科学院長が、大学院生フェローシップ事業(EXEX)および化学反応創成研究拠点(ICReDD)担当の副学長に石森浩一郎元理学研究院長・理学部長が、また、現理学部同窓会理事長である門出健次元先端生命科学研究院長は、バイオ研究・国際研究の副理事に就任しております。さらに、網塚浩 前理学研究院長・理学部長は、4月より総合イノベーション創発機構副機構長担当の副学長に就任し、加えて校友会エルム理事も担当することになりました。理学の知見と人材が、北海道大学全体の運営に貢献していることを大変心強く感じております。 

理学関係の最新の研究や教育の取り組みは、理学部理学研究院ホームページ・FacebookX(旧Twitter)・YouTube広報誌「彩」などで、現役の教職員と学生の研究成果や活躍の紹介、理学キャンパス周辺の懐かしい風景なども随時発信しておりますので、ぜひご覧ください。 

最後に、2024年度より北海道大学ホームカミングデーにおいて「理学キャリア発見交流会」を新たに開催しました。同窓生の皆様にはご共感いただけるかと思いますが、理学の学生はアカデミア志向が強く、他学部・大学院の学生に比べてキャリアについて考え始める時期が遅れがちです。しかし、卒業後は多くの学生が一般企業にも就職しており、学生が自身の希望に沿ったキャリアを築き、アカデミアを含む多様な社会で活躍できる環境を整えることは理学にとって重要な課題となっています。そこで理学では、従来のホームカミングデーを「理学キャリア発見交流会」として再定義し、同窓生と現役学生が直接交流し、キャリアについて考える場を設けました。本交流会は、同窓生が学生時代の研究内容や現在の仕事内容を語るキャリアトークと、同窓生と現役学生が対話を深めるポスターセッションの二部構成で実施されます。学生にとっては、自身と同じ学習環境で学び、共通の経験を持つ先輩から、さまざまな職種の仕事内容や就職活動の実体験を直接聞く貴重な機会となります。一方、同窓生の皆様にとっても、出身学科・専攻の枠を越えて現役学生と交流し、自らが活躍する会社や業界の魅力を伝える場となります。2024年度の初開催では同窓生・現役学生・教職員を含む160 名超が参加し、世代を超えた活発な意見交換が行われました。本交流会が、理学出身の学生にとってキャリア形成への視野を広げ、自身の可能性を主体的に考える契機となることを期待しています。今後もこの取り組みを継続し、より充実した企画へと発展させてまいります。同窓生の皆様のご参加・ご協力をよろしくお願いいたします。 

冒頭お伝えしたように、2030年の創立100周年が目前に迫り、その準備を開始しております。2021年4月には理学寄附金事業も立ち上げ、すでに多くの同窓生や支援者の皆様から貴重なご支援をいただいております。心より感謝申し上げます。私たちの使命は、いただいたご支援を未来へとつなぎ、理学をさらに発展させることです。同窓生の皆様は、理学にとって最大の理解者です。同窓会は現役学生と同窓生をつなぐ大切な架け橋としてこれからもその役割を果たしてまいります。今後とも、理学および同窓会への温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。 

(大学院理学研究院長・理学部長 地球惑星システム特別会員