【ポイント】
- わずかな水分子の存在と分子構造変化が鍵となり、圧力応答型の還元反応を初めて実現。
- 対イオンの選択で還元反応のオン/オフ制御も可能なため、圧力応答性材料の開発に期待。
- 圧力応答型現象の駆動メカニズムを分子レベルで解き明かす指針を提供。
【概要】
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授、同大学大学院総合化学院博⼠後期課程の菊池モト氏及び九州大学先導物質化学研究所の福原学教授らの研究グループは、独自に開発したシクロファン型のジカチオンに対して、静水圧を作用させることでレドックス反応が進行することを明らかにしました。
有機分子を用いた研究において、加圧により還元反応の進行が確認された例はこれまでになく、未解明のまま残されている圧力応答メカニズムの実証や新たな環境応答性材料の開発に繋がることが期待されます。

論文名:A redox reaction triggered by hydrostatic pressure in dicationic cyclophanes(ジカチオン性シクロファンへの静水圧印加により駆動する酸化還元反応)
著者名:菊池モト1、桑原知也2、福原 学2、3、鈴⽊孝紀4、⽯垣侑祐4(1北海道⼤学⼤学院総合化学
院、2東京科学⼤学理学院、3九州⼤学先導物質化学研究所、4北海道⼤学⼤学院理学研究院)
雑誌名:Materials Chemistry Frontiers(英国王⽴化学会誌)
URL:https://doi.org/10.1039/D5QM00426H
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