統計物理学研究室の印田朱音さん(修士課程2年生)の論文が「Physical Review B」誌のEditors’ Suggestionに選出されました。おめでとうございます!
Emergent cross-product-type spin-orbit coupling under ferroaxial ordering, Akane Inda and Satoru Hayami, Phys. Rev. B 111, L041104(2025)
本研究では、近年になって実験による報告がなされているフェロアキシャル秩序相の微視的起原を理論計算により調べました。フェロアキシャル秩序相とは、結晶における主軸に平行な鏡映対称性が自発的に破れた秩序相であり、従来の強磁性相や強誘電性とは対称性が異なることから、本質的に新しい量子相になります。本論文では、摂動論と多極子基底を用いた数値解析の結果、フェロアキシャル秩序相が発現した際に、電子系において特異なスピン軌道結合が現れることを示しました。本結果から、フェロアキシャル秩序相特有の新規な物性現象の開拓が期待されます。