【ポイント】
- 海馬のアストロサイトは覚醒を抑制し、ノンレム睡眠、レム睡眠を促進することを発見。
- 橋のアストロサイトはレム睡眠を強く抑制し、ノンレム睡眠中の脳波を制御することを解明。
- 神経細胞以外の細胞を含めた、脳全体での睡眠覚醒の制御メカニズムの全貌解明に期待。
【概要】
北海道大学大学院理学研究院の常松友美講師らの研究グループは、東北大学大学院生命科学研究科修士課程の黒木優太氏らとともに、マウスを用いて、脳を構成するグリア細胞の一種であるアストロサイトが睡眠覚醒を制御していること、海馬と橋という異なる脳領域のアストロサイトでは、睡眠覚醒制御における役割が異なることを明らかにしました。
これらの結果は、神経細胞だけでなく、アストロサイトも睡眠覚醒制御に貢献していることを示しています。本研究成果をもとに、睡眠の制御メカニズムや生理的意義に迫ることができるだけでなく、新たな睡眠薬の開発にも繋がると期待されます。
論文名：Chemogenetic activation of astrocytes modulates sleep/wakefulness states in a brain region-dependent manner（アストロサイトの化学遺伝学的な活性化は脳領域依存的に睡眠覚醒に影響を与える）
Yuta Kurogi, Tomomi Sanagi, Daisuke Ono, Tomomi Tsunematsu, SLEEP Advances, 2024;, zpae091
DOI: 10.1093/sleepadvances/zpae091
詳細は理学研究院＞研究ニュースをご覧ください。
