地震や火山活動にともなう地殻変動を高い精度で把握することは、現象の理解のみならず、それらの発生予測を実現する上で非常に重要です。日本では国土地理院が運用するGNSS観測網 (電子基準点、全国1,300点超)により、高い精度で地殻変動場が調べられています。その一方で、2019年11月以降、ソ フトバンク株式会社により、測位サービスの高度化を目的とした超多点(全国 3,300点超)の独自GNSS観測網(以下、ソフトバンク独自基準点)の運用が開始されました。
北海道大学大学院理学研究院の大園真子准教授および東北大学大学院理学研究科の太田雄策准教授は、ソフトバンク独自基準点により、国土地理院の電子基準点網とおおよそ同等の精度で地殻変動を把握できることを初めて定量的に明らかにしました。この結果は、同観測網が大きな地震の震源像の把握や内陸活断層における地震発生の長期評価の高度化などに貢献しうることを示す重要な結果であり、国土地理院の電子基準点を補完する重要なインフラとして防災・減災に大きく貢献することが期待できるものです。
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