生物科学科(生物学)を平成29年度に卒業した波々伯部夏美さん(現在東京大学三崎臨海臨海実験所博士課程1年生)は、北大理学院修士課程在籍中の2018年8月にパナマのボカス・デル・トロにあるスミソニアン熱帯研究所で開催された「紐形動物の分類学・生物学ワークショップ」に参加しました。その後、波々伯部さんは滞在中に採集したヒモムシの一種を新種記載する準備を着々と進めておりましたが、2年後の2020年8月になってようやくその論文がドイツの学術雑誌Marine Biodiversity誌上で公表されました。これは本種が属するゴトウヒモムシ属のカリブ海からの初記録です。
波々伯部さんはスミソニアン熱帯研究所滞在中、助手のメイコル・マドリード氏に大変お世話になりました。そこで新種の学名をメイコルさんに献名したところ、その経緯を紹介する記事がスミソニアン熱帯研究所のニュースサイトに掲載されました。
スミソニアン熱帯研究所のニュースサイト
https://stri.si.edu/story/panamanian-ribbon-worm
これまでにパナマ以外にもアメリカやイギリスのニュース・アグリゲーターに転載されています。
イギリス:https://phys.org/news/2020-09-nemertean-species-panama-genus-caribbean.html
アメリカ:https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/stri-nns092420.php
パナマ:https://www.telemetro.com/ciencia/2020/09/26/descubren-en-panama-especie-de-nemertino-unico-en-su-genero-en-el-caribe/3275879.html
論文:Hookabe N. and Kajihara H. (2020) Euborlasia Vaillant, 1890 (Nemertea: Pilidiophora) from Bocas del Toro: description of a new species, with comments on the systematics of the genus. Marine Biodiversity 50:74. (https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs12526-020-01091-7)