卒業する皆さんへ
本日、北海道大学理学部から280名が「学士(理学)」として巣立って行かれます。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。そしてご家族の皆さんにおかれましてもこの度は誠におめでとうございます。理学部の教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。新型コロナウイルスの影響で学位記授与式を中止せざるを得なかったこと、何より皆さんに直接お祝いの言葉を述べることができなかったことは誠に残念で、申し訳なく思っております。異例の形での卒業となってしまいましたが、皆さんには北海道大学理学部で学んだ様々なことを糧としてこれからの人生を力強く歩んでいただきたいと切に希望するものです。
理学部は、自然界の「理」(ことわり)を解き、「知」を創る能力、すなわち「現象を解析し、真理・法則を発見・検証し、次を予測する力」の育成を教育研究の基盤として人材の育成を行ってきました。数学、物理学、化学、生物科学(生物学・高分子機能学)、地球惑星科学と学んだ学問領域はそれぞれ異なっていても、この「理学的」アプローチには共通するものがあり、それらを体験することで涵養された能力は、社会のあらゆる分野で共通に必要とされる重要な能力であり、将来にわたって皆さんを支える力になるものと私たちは信じています。
理学部は今年で創立90周年を迎えます。この間、教職員も学生も共に力を合わせて自然科学の発展のため不断の努力を重ねてまいりました。今までにおよそ13,000名の卒業生を世に送り出し、卒業生はそれぞれの分野で幅広く活躍しておられます。皆さんも長い歴史をもつ理学部の同窓生に名前を連ねられる訳ですが、北大理学部出身であることの誇りを胸に、次なるステージで大いにご活躍されることを祈念しております。また、今後は同窓生として、北大理学部を見守っていただき、さまざまな形で後輩のサポートにお力添えいただけると幸いに思います。
本日は誠におめでとうございました。