植物進化発生制御研究室の藤田知道教授が進める「スペース・モス」計画のヒメツリガネゴケは、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」で12月9日より2回目の栽培実験(Run2)を開始しました。実験期間中はISSから送られてくる画像をチェックすることでヒメツリガネゴケの生育や健康状態を見守ってきました。
約1ヶ月間の栽培実験が2020年1月3日(金)に終了し、地球帰還準備のために化学固定処置や凍結処理などを行いました。1月7日(火)、実験装置はドラゴン宇宙船19号機で地球に向けて出発、8日(水)午前0時42分(日本時間)に米国カルフォルニア州南西沖の太平洋上へ着水し、ヒメツリガネゴケは地球へ帰還しました。
その後、日本へ輸送され、1月17日(金)に凍結処理されたヒメツリガネゴケが藤田教授の研究室に到着しました。また化学固定処理や生存回収したヒメツリガネゴケは1月18日(土)に共同研究者である半場教授(京都工芸繊維大学)のところに到着し、そこからさらに、京都大学、富山大学、理化学研究所の共同研究者らの元にそれぞれ届けられます。今後、各場所でコケたちの状態を確認し、解析を始めます。
本実験での成果は人類が将来宇宙で生活をする際、生命維持に大きく役立つものと期待されています。「スペース・モス」Run2実施にあたり、ISS実験運用の関係者、ISS滞在宇宙飛行士の皆さま、この実験に協力して下さったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。