7月12日(金)18:30より理学部大講堂にて、ハルトプライズの地域予選で日本勢初優勝を果たした本学の学生チーム「AQUAMOU(アクアモウ)」の優勝報告会兼壮行会が開催されました。外は大雨で雷の激しく落ちる音も聞こえる悪天候に見まわれましたが、会場には市民、学生、教職員など約70名の支援者が集まりました。
「学生のノーベル賞」と呼ばれるハルトプライズ
ハルトプライズとは、世界120カ国以上の大学生・大学院生が、人類の直面する社会問題を解決するための革新的な事業プランを競う世界最大規模の起業コンテストで、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)達成に向け、起業アイデアを提案するものです。国連が正式に支援し「学生のノーベル賞」とも呼ばれています。国連本部で行われる最終プレゼンテーションで優勝したチームには、起業のための資金として100万米ドル(日本円で1億円あまり)が贈られることになっています。東京地域予選に出場したおよそ50チームの中から、AQUAMOUは日本初となる優勝を果たし、7月下旬からロンドンで行われるアクセラレータ・プログラム(強化合宿)への出場権を獲得しました。強化合宿で選抜された6チームが国連本部での最終プレゼンに臨むことになります。今回のイベントはそのアクセラレータ・プログラム参加への壮行会も兼ねて行われました。
AQUAMOUチームの紹介
AQUAMOUチームはナイジェリアからの留学生でリーダーを務めるイフェアニー・チュクさん(水産科学院修士2年)、同じくナイジェリアからの留学生ケルビン・イコグバさん(工学院修士1年)、錦織秀伸さん(水産科学院修士2年)、そしてインドからの留学生ランジャニ・ラジャゴパルさん(Integrated Science Program・理学部2年)の4人で構成されています。
本学の理念であるフロンティア精神と実学の重視を兼ね備えたテーマ
はじめに、瀬戸口剛工学研究院長より開会の挨拶があり、「AQUAMOUの提案は、北海道大学の基本理念であるフロンティア精神と実学の重視を兼ね備えた、理想的なテーマです。さらに、水産、理学、工学と、まさに各研究分野を横断する多様な知の融合を体現し、地域予選を突破したことは、本学にとって本当に誇るべき快挙です。」と今回の彼らの挑戦を称えました。
続いて、2018年度北海道大学ハルトプライズ実行委員長の坪井里奈さん(国際食資源学院1年)とAQUAMOUチームがこれまでの活動を報告し、地域予選の再現プレゼンテーションを行いました。また彼らを指導してきたジョン・バウワー准教授(水産科学研究院・国際教育室長)は高級魚として知られるティラピア(淡水魚)の養殖技術の研究について解説を加え「AQUAMOUチームの研究は養殖における3つの問題(環境・エネルギー・エサ)を全て解決している」と講評しました。
その後、西井準治理事・副学長より「頑張って、楽しんで、北海道大学の代表として誇りを持って励んできてください。」と激励の言葉と共に花束贈呈が行われました。
クラウドファンディングに挑戦し目標額を達成
AQUAMOUチームはロンドンへの渡航費や水槽などの試作品製作にかかる資金を募るため、6月14日(金)からクラウドファンディングに挑戦していました。多方面から支援が集まり7月11日(木)には目標額の100万円に到達、このイベント終了後の最終的な支援総額は124万円あまりに上りました。市民のみなさまはじめ、学内外のみなさまから多大なご支援をいただいたことを、関係者一同、心より感謝しております。
最後に堀口健雄理学研究院長より閉会の挨拶があり、「みなさんの活躍によって、多くの学生や教職員が勇気づけられました。AQUAMOUチームがロンドンでの強化合宿でさらに力を身につけ、ニューヨークで開催される本戦に進出することを祈念しております。どうか貴重な体験を世界中から集まる若者たちと共有してきてください。」と、エールが送られました。会場は大きな拍手に包まれながら幕を閉じました。
主 催:水産科学研究院/工学研究院/理学研究院/人材育成本部
協 力:EARTH on EDGE北海道/北海道大学ハルトプライズ実行委員会
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