刺激特異的順応(Stimulus-Specific Adaptation: SSA)は,繰り返される刺激に慣れたり,新しい刺激だけを検出するための神経基盤と考えられています。私たちは,コオロギに同じ方向から繰り返して気流を与えて刺激した時,別の方向からの気流には,反復刺激の気流よりも大きく反応することを発見しました。同様の刺激は,気流逃避行動を司る巨大介在ニューロンの応答を減少させ,かつ方向感受性(どの方向により大きく反応するか)を変化させました。薬理実験とカルシウムイメージング実験の結果,巨大介在ニューロン内において,反復刺激の情報が入力する個所で集中的にカルシウム上昇が起こり,それに対する応答を特異的に減弱させることがわかりました。
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