
龔 剣萍(グン・チェンピン)教授(先端生命科学研究院)の研究グループは、壊れても自ら修復し、さらには強くなるハイドロゲルを開発しました。
ハイドロゲルとは、長い分子の鎖(高分子)が網目のような構造を作り、大量の水を吸収した物質です。実は私たちの周りでもあちこちに存在します。例えば、ソフトコンタクトレンズ、お菓子のグミ、軟骨もハイドロゲルです。
ハイドロゲルは壊れると元に戻りません。割れたゼリーを集めても元通りにならないのと同じことです。これまでも自己修復するハイドロゲルが研究されて来ましたが、修復するスピードが遅すぎて実用的ではありませんでした。

今回、グン教授たちはハイドロゲル内に壊れやすい結合を入れました。この結合は力をかけると簡単に壊れますが、たくさん壊れるため、新たな高分子の網目をすばやく作ることができます。その結果、自己修復のスピードはこれまでの100倍になり、さらには強度も上がる結果となりました。
この方法は、他の高分子材料にも応用できる可能性があります。柔らかさと強さが必要な状況、例えば機械の接合部や人間の関節などでの活用が期待されます。
関連サイト
プレスリリース:化学結合の切断を利用した新しい自己強化材料の開発~機械化学反応による急速強化が可能に~(龔 剣萍 教授)(2025年2月27日)