理学部化学科出身の高橋佑輔さん(現在 大学院総合化学院 修士課程2年)が、2023年7月13日にタイ・バンコクで開催された第25回アジア陸上競技選手権大会 男子1500mで、銀メダルを獲得しました。その健闘を称えて、理学部および大学院総合化学院主催で行ったお祝いセレモニーの様子をお伝えします。
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2023年7月18日、会場の理学部2号館エントランスホールに集まった学生・教職員の大きな拍手に迎えられて、走って登場した高橋佑輔さん。網塚浩 理学部長と佐田和己 大学院総合化学院長から花束を贈呈され、指導教員の上野貢生 教授から激励の言葉が送られました。
網塚浩 理学部長からのお祝いの言葉
「高橋さん、感動をありがとうございました。研究もスポーツも毎日の積み重ねが大事であることを示していただきました。その賜物だと思います。これからも身体に気をつけてますますご活躍されることを祈っております。この度は誠におめでとうございます。」
佐田和己 大学院総合化学院長からのお祝いの言葉
「おめでとうございます。この素晴らしい快挙を総合化学院の学生さんとして達成されたことに深く感動しております。二刀流という言葉がございます。まさに金メダルとノーベル賞を狙うがごとく人生を生きてください。これからも研鑽を積んで二刀流で頑張っていただきたいです。銀メダル獲得、おめでとうございます。」
高橋さんのスピーチ
「みなさん、このように集まっていただきありがとうございます。今回のアジア選手権は、初めての日本代表選手であり、初めての海外レースだったので、ワクワク楽しいと感じると同時に大きな不安もありました。タイのバンコクは高温多湿の厳しい環境で、体調を崩す選手もいました。その中で自分のレースを心がけましたが、実際は海外選手のスタートがすごく速くて、置いて行かれる展開になってしまいました。自分の持ち味は長めのロングスパートなので、ラスト400mから前に出たいと思っていました。ラスト300mのバックストレートでカタールの選手が、僕を邪魔だと思ったのか運よく後ろから押してくれてポンと前に出られました。最後にインドの選手に抜かされて2位になりましたが、思ったよりもよい結果で素直に嬉しいです。
今後も陸上競技を続け、自分のできるところまで頑張りたいと思っています。これからも応援してくださると嬉しいです。
最後になりますが、研究以外のいわゆる課外活動にもかかわらず、ご理解と応援をしてくださった指導教員の上野先生をはじめ、研究室の方々にはこの場を借りて感謝申し上げます。今日はお集まりいただき、ありがとうございました。」
指導教員 上野 貢生教授(分析化学研究室)からのお祝いの言葉
「高橋くんおめでとうございます。タイという本当に過酷なところでよく頑張りました。すごいと思います。6月の日本選手権(男子1500m2位、自己ベスト記録)の時も、テレビや新聞で見ていた高橋くんと、翌日レーザー室でディスカッションした高橋くんが同じ人物とは思えませんでした。おかしいなと思いながらも、過ごした記憶があります。
高橋くんは半導体の原子層の膜を、P型とN型2枚重ねてそこで起こる光物体を研究しています。ピコセカンド(1兆分の1秒)という割と長寿命に電荷分離するものを見つけて研究していて、これは走る速さからしたら圧倒的に速いのですが、半導体の膜の電荷分離の寿命としては遅い方です。そこを彼はプラズモンを使ってフェムト秒(千兆分の1秒)まで加速する研究をしています。つまり喩えるなら中長距離から短距離まで全てカバーして高速に走る男ということです。
このように研究でも実験成果を出してくれ、嬉しく思っています。その成果を来週(7月末)開かれるフォトケミストリーズという国際学会で彼自身が発表する予定です。
最後になりますが、高橋くんのためにこのようなお祝いの会を開いていただき、またお集まりいただき感謝を申し上げます。ありがとうございました。」
多くの方と銀メダルの喜びを分かちあうことのできたセレモニーとなりました。高橋さんのますますのご活躍に期待しています。おめでとうございます。
◆アジア選手権の前に行ったインタビュー記事「自分で決めたルールを守りながら、目標に向かう 〜化学研究と陸上競技で世界に挑む〜」はこちら。
(※学年、所属は記事掲載当時のものです)