2023年1月10日(火)、北キャンパス総合研究棟7号館 産学コミュニティホールにて、CCBセミナー×女性研究者ハイクラスロールモデル講演会「情熱の源泉に触れる 左右性研究の醍醐味 ~純粋理学研究から医療への展開へ 研究とキャリアのヒストリー~」が開催されました。
高分子機能学の教員が所属する先端生命科学研究院が主催する「CCB(Chirality and Chemical Biology)セミナー」。今回はダイバーシティ・インクルージョン推進本部との共催で「女性研究者ハイクラスロールモデル講演会」として行われました。
講師には、日本を代表する女性科学者の黒田 玲子氏(中部大学特任教授、東京大学名誉教授)を迎え、これまでの研究とキャリアについてお話しいただきました。当日は、学生を中心に約20名の参加がありました。
黒田先生の研究は、固体化学、分光装置開発、発生生物学と多岐にわたっています。巻貝の研究では、右巻と左巻を決めている一個の遺伝子を同定。さらに、受精卵をガラス棒で押して左右逆の形にすると、逆巻の貝になることを発見。現在は、巻貝が関係する感染症についても研究しています。
研究について楽しそうに語る黒田先生ですが、これまで数々の困難に見舞われてきました。困ったときは、どうすればいいかを自分でよく考えて、それから人に相談すると、必ず誰かが助けてくれたと言います。それによって道が開け、幅広く研究することにつながったので、支えてくれた人への感謝の気持ちを大切にしているそうです。
黒田先生は博士号を取得すると、すぐに海外へ行きました。1970年代の日本では、女性が研究職に就くことは難しかったからです。海外へ行った経験は、後にいろいろな意味で役に立ちました。だから、当時は困ったことも、今となってはありがたいことだったと感じるそうです。
「これからの人生、困難にぶつかることもあると思います。でも、きっと何とかなるから、がんばって!」と参加した学生たちにエールを送っていました。