理学部生物科学科(生物学)多様性生物学系・増田隆一教授が編著者となり、著書『ヒグマ学への招待 〜 自然と文化で考える』(北海道大学出版会)が刊行されました。15名の執筆者が文系・理系の垣根を越えて、ヒグマをキーワードとしながらも、環境保全のあり方や古来からの文化と現代社会について熱く議論しています。その中で、増田研究室出身の平田大祐さん(現在、サンクトペテルブルク大学博士研究員)、表渓太さん(現在、北海道博物館学芸員)、および、旧動物系統分類学講座出身の前田菜穂子さん(現在、ヒグマ学習センター代表)が各々の章を担当しています。さらに、北海道大学全学教育において人気を博してきた講義「環境と人間 ヒグマ学入門」の講師陣も執筆しています。次世代を担う学生さんにも是非読んでいただきたい一冊です。
本題『ヒグマ学への招待 〜 自然と文化で考える』(北海道大学出版会,2020年3月刊行)
序章 ヒグマ学とは何か (増田 隆一)
第1章 ヒグマの生態 (山中 正実)
第2章 世界のヒグマと移動の歴史 (平田 大祐)
第3章 想像を超えたヒグマとサケのつながり (小泉 逸郎)
第4章 北海道におけるシマフクロウとヒグマ (竹中 健)
第5章 市街地とヒグマ (早稲田 宏一)
第6章 クマ信仰・儀礼はなぜヒグマで顕著なのか (天野 哲也)
第7章 「熊送り」の動物考古学 (佐藤 孝雄)
第8章 口承文芸からみたアイヌ文化のクマ (児島 恭子)
第9章 古文書の中のヒグマ (松本 あづさ)
第10章 木彫りとなったヒグマ (大谷 茂之)
第11章 現代社会におけるヒグマ (間野 勉)
第12章 この土地を理解する鍵としてのヒグマ (伊藤 健次)
第13章 ヒグマの生活史 (前田 菜穂子)
第14章 動物園におけるクマ類の飼育管理と種の保存(福井 大祐)
第15章 ヒグマを通して自然を学ぶ (表 渓太)
終章 これからのヒグマ学 (増田 隆一)