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化学科ウェブサイトシリーズ「何を化えたい」第八弾、【光を化えたい上野 貢生 教授】公開されました

好評のシリーズ「何を化えたい」第八弾、【光を化えたい/上野 貢生 教授】が、化学科ウェブページに公開されました。

上野 貢生 教授

金属がナノ粒子になると起きる現象、プラズモン共鳴

私たちが扱っている物質は非常に小さなもので、インフルエンザウイルスの大きさぐらいで、髪の毛の太さの1/1000のサイズの数十nm(ナノメートル)から大きくても数百nmのサイズのものです。その中でも金や銀といった金属のナノ構造を研究しています。ナノ構造というのは、物質をナノ単位の大きさの粒子や塊にして、構造的に配置したものを指します。身近なもので紹介すると、ステンドグラスや江戸切子のように、赤色のガラスを見たことがあると思いますが、あれは金がナノ構造になることで金色ではなく赤くなる現象を利用しており、プラズモン共鳴と呼ばれています。

プラズモン共鳴というのは、金属表面に存在する自由電子が光と相互作用することで起きる現象です。金ナノ微粒子の場合は、そのサイズにもよりますが数10 nmの小さい金ナノ微粒子は緑色の光を吸収するため、人の目には赤く見えるようになります。この現象はあたかも光を金属の粒子に瞬間的に蓄えているように見えますが、実際は電場である光が自由電子に当たることで、自由電子が集団で振動する現象です。この時、粒子の大きさによって振動の起き方が決まります。

光が蓄えられるように見えることを身近な現象で表現すると、地震が起きると、震源地から揺れが伝播していき、ある地点を一瞬で通り過ぎているのに、その地点に建っている建物(ビルなど)はしばらく揺れて、あたかも地震がある地点に留まっているように感じるのと似ています。

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