分析化学研究室

微小領域における光と物質の相互作用を解明

研究内容

レーザー分光分析化学/プラズモンの化学

ナノ構造の光物性は、構造体のサイズ・形状や構造間距離に強く依存します。しかし、従来の化学的な方法により合成したナノ構造体を基板上に敷き詰めるだけでは、構造間距離に強く依存する共鳴現象の本質はわかりません。我々は、プラズモン共鳴を示す金属やカルコゲナイド層状化合物のナノ構造を対象として、高度微細加工技術によりシングルナノメートルの分解能で精緻に作製する方法を開拓し、ナノ構造間あるいはナノ構造/分子間における相互作用の物理・化学的描像を各種分光・フェムト秒時間分解計測により明らかにすることを目的として研究を進めています。特に、制御されたナノ構造体の光物性と分析化学研究への展開について取り組んでいます。

結合系プラズモニックナノ構造の電子顕微鏡写真
マッハツェンダー干渉計によるフェムト秒時間分解計測系

研究室の特徴

当研究室は光を自在に操るナノ構造の研究を行っています。光は、1秒間に地球を7周半するほど高速ですので、なかなか一カ所に留めさせることができません。我々は、光を蓄える金や銀などの金属のナノ構造体を精密に設計・作製し、光-エネルギー変換デバイスや光ナノ加工・計測等による化学センサーの開発を行っています。そのために、10の−15乗秒という極一瞬だけ光るレーザービームを用いて、光が高速に移動したり、減衰したりする過程や光と分子との相互作用(光化学反応)の過程をストロボ写真のように測定して解明するレーザー分光分析化学の研究を行っています。