先輩メッセージ

川向 ほの香(かわむかい ほのか)

構造化学研究室 修士課程2年 ※2020年9月時点

北大キャンパスにて

部活やサークル、趣味やボランティア活動で取り組んでいたこと

大学生のときはオーケストラサークルに所属し、ヴィオラを弾いていました。化学科は忙しいというイメージがあるかもしれませんが、部活やサークルに入っている人もたくさんいます。大学院に進学した今も社会人サークルで演奏を続けており、研究漬けの毎日に楽器を弾く時間がいい気分転換になっています。

定期演奏会の様子

今取り組んでいる研究テーマは?

タンパク質の新しい測定手法の開発を行っています。高エネルギー加速器研究機構やSPring-8などの大型放射光施設に出張して測定を行ったり、他大学との共同研究を行ったりと外部との関わりも強く、いい刺激になっています。現在は筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患に関わるタンパク質を対象に研究を進めており、ALS発症のメカニズムを明らかにするのが目標です。

将来はどんな仕事がしたいですか?

科学と社会をつなぐ仕事がしたいです。科学と国、科学と企業、科学と学生などの橋渡しをする仕事に就いて、科学をより発展させたいと考えています。

学科選択で化学科に進もうと思った理由は?

化学と生物の境目って何だろう、と疑問に思ったのがきっかけです。もともと細胞レベル以下の小さい世界の生物学に興味があり、よりミクロな視点で生物を究めたいと思い、化学科を選択しました。

研究室の仲間と

化学科オススメポイント

Point 1

理系科目のつながりを実感できること。物理、化学、生物はとても強く結びついています。私は生物系の研究をしていますが、生体内のさまざまな反応は化学反応であり、生物をより深く理解するためには化学と物理の視点が必要不可欠であると感じました。

生化学はもちろん、物理化学や無機化学の知識が研究の役に立っています。興味のある分野を発見できている人もまだの人も、いろいろな知識を取り入れてみると新たな興味が湧いてくると思います。

Point 2

実験が多いこと。化学科の醍醐味は、やはりさまざまな種類の実験に触れられるところです。化学反応が起こる瞬間は見ていて楽しいですし、目的の物を得ることができると達成感があります。実験の種類が多いぶん、使用する実験機器の種類も増えるため、実験機器に詳しくなれます。

特に印象に残っているのは紅茶からカフェインを抽出する実験です。普段飲んでいる紅茶にカフェインが含まれていることは知っていましたが、実際に抽出してみると、思っていた以上に多くて驚きました。座学の講義だけでは実感できなかった化学のおもしろさを体感することができます。

Point 3

卒業後の進路の幅が広がること。これを読んでいる人の中には、学部学科の選択に迷っている人もいると思います。ちょっと大袈裟な言い方かもしれませんが、大学での勉強は高校までの勉強とはがらりと異なり、世界が変わります。

化学科は幅広い学問体系で成り立っているため、自分の興味の方向性が変わっても対応できます。なんとなく理系の科目が好きだけど何がしたいか決まっていない人にもおすすめです。もちろん、化学に興味がある人もぜひ化学科に来てくださいね!

島尻 拓哉(しまじり たくや)

有機化学第一研究室 博士後期課程2年 ※2020年9月時点

留学先のラボのみんなと(左が私)中央は研究室のG. Dan Pantoș先生
イギリスのバース大学に留学(2020年1月〜3月)

部活やサークル、趣味やボランティア活動で取り組んでいたこと

学部生時代は4年間ハンドボール部に所属していました。北海道大会優勝、全国大会出場を目指して全身全霊で立ち向かっていました。時間のやりくりがなかなか大変でしたが、充実した日々とかけがえのない仲間を得ることができました。

また、未来を担う科学者の育成にも興味があり、アウトリーチ活動として一般の方々に向けたサイエンスカフェや、高校生への公開講義なども行ってきました。

今取り組んでいる研究テーマは?

共有結合の限界への挑戦:世界最長の炭素–炭素結合の創出

有機化学とは有機化合物を扱う化学です。では有機化合物とは何でしょうか?

広義には、“炭素”を含む化合物と定義されています(ブルース有機化学より)。次に、有機化合物がどのように形成されているのかというと、原子と原子が“共有結合”で繋がっており、共有結合は化学結合の中でも二つの原子が電子を出し合って共有することで一つの結合を形成します。

その共有結合のなかでも、有機化学において炭素が作る共有結合は最も重要な要素と考えられており、私の研究も炭素の結合がテーマです。「共有結合はどこまで結合するのか。その結合を極限まで伸ばしたときに、通常とは異なる性質が発現するんじゃないか?」。そんな疑問を念頭に置きながら、現在は世界で一番長い炭素–炭素結合を作り出すことで、結合の極限状態における性質解明を目指しています。

将来はどんな仕事がしたいですか?

教科書を読むと、これまで先人たちが歩んできた叡智の道程がわかります。一方で、自分が研究を進めていくと、化学の教科書に必ず出てくるような化学結合でも、未だ解明しきれていないことが多くあることに気づきました。将来は、教科書の新たな1ページに載るような、これまでにない概念や技術を生み出す仕事ができればいいなと思います。

学科選択で化学科に進もうと思った理由は?

高校生の頃は数学が得意で、大学でも数学科に行こうかなと考えていました。ですがある日、高校の化学の先生に体に良いと勧められ、アスコルビン酸を食べてみたところ、「ただのビタミンC、酸っぱいといってもレモンくらいでしょ?」という思い込みが一瞬で吹き飛ぶくらいの強烈な酸味に衝撃を受けました。

そのときに五感で感じ取った化合物のインパクトは、今振り返っても強烈の一言。それ以降は、ただの成分や材料としてではない化合物を正しく知りたいという思いが強くなり、組み合わせ次第でパズルやブロックのように思い描いたものを創造できる面白さにも惹かれて、化学科を選択しました。

研究室旅行でニセコへ(2019年9月)

化学科オススメポイント

Point 1 苦楽を共にした戦友

化学は物質の科学です。そのため、物質を作り、正しく扱うための演習が豊富に用意されています。そこで、授業や実験、レポートを一緒に取り組み、考える中で同期との交友を育んでいけると思います。

また、研究室に配属されてからは同期だけでなく、先輩や後輩、先生方とも研究活動という長く、時には厳しい時間をともにし、苦楽や達成感を分かち合うので、仲間というよりもむしろ戦友と呼ぶべき強い絆が生まれます。こうして出来た繋がりは、一生の宝になると思います。

Point 2 化学科の夏:野球大会

北大では各学部や学科において何かしらの運動大会が行われています。化学科では野球大会があり、研究室ごとに出場します(2年生や3年生からも二チームずつ出場できます)。日々の研究活動への力を野球に注いだ時の各研究室の熱意はすさまじく、まさに全力投球。化学科の夏です。

学生はもちろんのこと、教授を含めた先生方も参加し、白球を追いかけるのです。そのあとには、慰労会を兼ねたジンギスカンパーティー(ジンパ:北大の伝統的なBBQ)が待っており、研究室や年齢(役職)の垣根を超えて広く交流を図ることができます。研究活動のみならず、みんなで打ち込めるイベントがあることは、化学科の良いところだと思います。

Point 3 圧倒的な研究力

化学は、物理化学、無機化学、有機化学、生物化学に大別されますが、北大化学科は各分野においてトップランナーの先生がそろっています。例えば有機化学は、2010年にノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生を輩出するなど、世界にひけをとらない実績を誇っています。

学部生は、どこの研究室に行けばよいだろうと悩むことがあるかと思いますが、どの研究室に行っても世界に通用する研究に従事できる、最先端かつ万全の環境で学生を迎えてくれるところが、化学科の大きな強みです。