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合成化学と計算化学の融合が拓く骨格多様化合成の新展開亜鉛によるアルキン活性化法を開発、系統のアルカロイド骨格の作り分けに成功

国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の大栗博毅教授、北海道大学大学院理学研究院化学部門・同大学化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の前田 理教授らは、共通の基質から複雑な三次元構造を持つ含窒素縮環骨格(四種類)を作り分ける迅速合成プロセスを開発しました。亜鉛試薬を共通の基質に作用させて環化様式を制御し、インドールアルカロイド骨格群の作り分けに成功しました。コンピューター化学と実験化学とのコラボレーションにより、意外な遷移状態や反応経路を発見し、骨格の異なる化合物群を系統的に創出するための反応設計指針や合成戦略を提案しました。

様々な官能基が組み込まれた含窒素骨格群を自在に低コストで合成できるので、次世代の医薬品や農薬等の開発につながる基盤技術として、今後の更なる発展が期待されます。

本研究成果は、英国化学会Chemical Science(5月1日付)オンライン版にEdge Articleとして掲載されました。さらに Outside Back Cover に選ばれました。

 

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