研究ニュース

札幌市内シラカバ花粉飛散の超高解像予測システムを開発実用的なシラカバ花粉飛散予測への貢献に期待

【ポイント】

  • 札幌市内10km圏内のシラカバ樹木分布推定図を作成し花粉飛散の超高解像予測システムを開発 。
  • シラカバ樹木図,気象データ,過去の花粉観測データを用いてシラカバ飛散をモデル化。
  • シラカバ花粉症患者が花粉曝露を避けるための実用的な情報としての活用に期待。

【概要】

北海道大学大学院理学研究院の稲津 將 教授及び北海道立衛生研究所の武内伸治博士・小林 智 博士らの研究グループは,札幌市内中心部におけるシラカバ花粉の飛散を 400m間隔で超高解像に予測するシステムを開発しました。

本システムを用いて,2001年から2011年までの過去のシラカバ花粉飛散計算を実施したところ,北海道立衛生研究所における日々のシラカバ花粉飛散量の観測結果をよく再現できることがわかりました。このシステムは1点の変動だけではなく,札幌市内 のシラカバ花粉飛散量を400m間隔で計算できます。計算の結果,シラカバ樹木密度とシラカバ花粉飛散量との間に著しい相関関係があることもわかり,強風時には数km風下まで花粉が流されることも示されました。

本システムは,地面付近の風,気温,降水といった気象データに基づいて花粉飛散等を計算するため,天気予報データを入力すると札幌市内のリアルタイムのシラカバ花粉飛散予測が可能となります。本システムの予測結果は札幌市内を400m間隔に解像するものですので,シラカバ花粉症患者が花粉曝露を避ける行動をとるために,より実用的な情報として活用されることが期待されます。

なお,本研究成果は,日本時間2020年11月11日(水)午後4時(中央ヨーロッパ時間 2020年11月11日(水)午前8時)公開のAgricultural and Forest Meteorology誌に掲載されました。

詳細はプレスリリースをご覧ください。