大量合成可能なジャガイモシロシストセンチュウふ化促進物質を発見-”騙して”ふ化させ、餓死に導く新たな防除法へ-
図1 合成ふ化促進物質による新たな防除法のメカニズム
ふ化促進物質は、寄主植物の存在を知らせる合図としてセンチュウに認識されます。合成ふ化促進物質を用いることで、この合図を逆手に取り、センチュウを“騙して”ふ化させ、寄主植物が存在しない環境下で餓死に導くことができます。
ふ化促進物質は、寄主植物の存在を知らせる合図としてセンチュウに認識されます。合成ふ化促進物質を用いることで、この合図を逆手に取り、センチュウを“騙して”ふ化させ、寄主植物が存在しない環境下で餓死に導くことができます。
農研機構、日本曹達株式会社、北海道大学の研究グループは、ばれいしょの世界的な害虫であるジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)に対する、化学構造が単純で大量合成が可能なふ化促進物質を新たに発見しました。ほ場試験では、この物質の処理により土壌中のジャガイモシロシストセンチュウ密度を大幅に低減させることに成功しました。本成果は、全く新しい作用機作の防除技術の実現に向けた一歩となるものであり、持続可能なばれいしょ生産への大きな貢献が期待されます。
本研究成果は国際学術誌「Plant Disease」に掲載されました。
論文名:Discovery of hatching stimulants for Globodera pallida with simple chemical structures and their application for nematode density reduction in soil
DOI:10.1094/PDIS-03-25-0667-RE
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