研究者情報

山田 敏弘

教授

YAMADA Toshihiro

面白さは化石を掘ってから考えよう!

地球惑星科学部門 地球惑星システム科学分野

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研究テーマ

化石(特に植物化石)が持つ生物学的な面白さを追求する

研究分野古植物学, 古生物学, 進化発生学, 層位学, 植物分類学
キーワード掘ってから考える古生物学, 植物における器官の進化, 絶滅植物の古生態, 古植生, 古花粉学, 新生界層序, 中生界層序

研究紹介

化石の中には、今生きている生物と異なる特徴を持つものがたくさんあります。また、過去には様々な生活スタイルがあったはずです。化石の持つ意味を生物学的な観点から考えていくと、どのように進化が起きたのか、なぜ絶滅してしまったのか,などの問いに答えられるかもしれません。

とはいえ、手元に化石がなければ、それらの昔の姿に思いを巡らすことはできません。ですから、まず野外に出て化石を掘ってみることがとても大切です。また、自分で掘ってみると、なぜ化石になったのかが見えることがあります。「死に方」は「生き方」を探る大きなヒントになりますが、このヒントに気付けるのは、掘った者に与えられる特権です。

一方、化石の持つ意味は、生物学的なものに限りません。化石には亡骸が埋まってから現在に至るまでの履歴が残っているからです。何に注目するかは、掘った者の自由です。また、解析の方法も自由です。これが古生物学の素晴らしいところです。

まだ世の中には未知の化石が無数にあります。特に植物化石は研究が進んでいません。私は、それらを世にデビューさせるため、プロデュース活動に励んでいます。

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北海道での化石採集。ニヤニヤが止まらない。
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やべぇ、新種でた!
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心の友、ようこそ今の世界へ
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組織が保存された約1億2500万年前の葉
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約1900万年前のサトイモ科の水生植物

代表的な研究業績

Shared body plans of lycophytes inferred from root formation of Lycopodium clavatum,
Y. Ito, R. Fujinami, R. Imaichi, and T. Yamada, Frontiers in Ecology and Evolution, 2022, 10, 930167
Revision of Salvinia pseudoformosa type specimen ages,
M. Nishino, M. Ito, and T. Yamada, Paleontological Research, 2022, 26, 359–368
Age and paleoclimatic implication of middle to upper Miocene plant-bearing strata in the southern Kanazawa area, Ishikawa Prefecture, central Japan, based on refined Neogene palynostratigraphy in the Hokuriku district,
S. Teduka and T. Yamada, Island Arc, 2021, 30, e12428
Lycopodium root meristem dynamics support homology between shoots and roots in lycophytes,
R. Fujinami, A. Nakajima, R. Imaichi, and T. Yamada, New Phytologist, 2021, 229, 460–468
Root apical meristem diversity in extant lycophytes and implications for root origins,
*R. Fujinami, *T. Yamada, A. Nakajima, S. Takagi, A. Idogawa, E. Kawakami, M. Tsutsumi, R. Imaichi (*Co-first authors), New Phytologist, 2017, 215, 1210–1220
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学位博士(理学)
自己紹介

愛知県に生まれ、5歳の時、初めて化石を掘りました。以来、化石採集ばかりしています。最近はヨルシカを聴き(息子の勧め)、研究が上手くいかなかった日々のことを思い出しました。好きな魚は真鯛と鱚です。

学歴・職歴1999年 京都大学理学部 卒業(主に地質学鉱物学を修める)
2001年 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程修了
2004年 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士後期課程修了
2004年 国立科学博物館地学研究部 研究官(研究員)
2006年 金沢大学自然科学研究科生命科学専攻 講師
2011年 金沢大学理工研究域自然システム学系 准教授
2018年 大阪市立大学大学院生物地球系専攻 教授
2018年 大阪市立大学理学部附属植物園 園長
2022年 大阪公立大学大学院理学研究科生物学専攻 教授
2022年 大阪公立大学大学附属植物園 園長
2023年 現職
所属学会日本古生物学会, 日本植物学会, 日本植物分類学会, 日本地質学会
居室理学部6号館 10-06号室