研究ニュース

西表島のマングローブから新種のタナイス目甲殻類を発見

【ポイント】

  • 西表島のマングローブからタナイス目甲殻類の新種を発見。
  • 北西太平洋から初めてマダラタナイス科を発見。
  • マングローブに生息する小型生物の多様性の一端を明らかに。

【概要】

北海道大学大学院理学研究院の角井敬知講師らの研究グループは,西表島の汽水域に広がるマングローブから,タナイス目甲殻類の新種を発見しました。

マングローブは,国内では主に琉球列島の汽水域に見られる,ヒルギ類をはじめとするマングローブ植物から構成される森林です。沿岸域で様々な動物を育むマングローブは「生命のゆりかご」に例えられ,生物多様性の保全を考える上で重要な環境ですが,タナイス目甲殻類に関しては,どんな種が住んでいるのかという基礎的な生物相に関する情報の蓄積すらあまり進んでいない現状にありました。

今回,西表島の後良(しいら)川河口に広がるマングローブで調査を行ったところ,マングローブ植物の呼吸根の表面を覆う泥の中から,北西太平洋から報告の無かったマダラタナイス科に属するタナイス目甲殻類を発見しました。得られたタナイス類について詳細な形態観察を行ったところ,既知の種のいずれにも該当しない特徴を有する未知の種であることが明らかになったため,新種Teleotanais madara(和名:マダラタナイス)として報告しました。

なお,本研究成果は,2019年9月25日(水)公開のSpecies Diversity誌に掲載されました。

 

詳細はプレスリリースをご覧ください。