研究テーマ | 大小様々な島から構成される日本列島には、認識されていない鳥類の進化的な単位が多く潜んでいる。多様化が進んでいるこの列島で局所適応、種間相互作用、配偶者選択など生態学的視点から、鳥類の種分化機構について探求している。 |
研究分野 | 島嶼生物学, 生態学, 個体群生態学, 鳥類学, 行動生態学 |
キーワード | 生活史, 生活史戦略, 繁殖生態, 繁殖分散, 出生地分散, 近親交配, 近郊弱勢, 海洋島, 大洋島, 諸島・列島・群島, 南大東島・北大東島, 南西諸島, 小笠原諸島, 石狩市・札幌市, リュウキュウコノハズク, モズ, アカモズ, リュウキュウアカショウビン |
研究紹介
鳥類は1万余種という種多様性を持ち、単なる地理的な隔離だけではその種分化の理由を説明できない程多くの近縁種や亜種が生息しています。大小様々な島から構成される日本列島には、未だ認識されていない進化的な単位が、他地域よりも多いことが分かってきました。南西諸島の小島嶼は、進化生物学的視点から非常に有用な素材を提供します。卓越した移動能力を持ち、地理的障壁が隔離に機能し難い鳥類では、特に局所適応、近親交配、種間相互作用、配偶者選択などの生態学的な観点が重要になります。私たちは音響学、分子生物学、地理情報システムなどを用い、多面的に研究を展開しています。それはそれとして、最も重要なことは、自分でフィールドを歩き、対象種をじっくり観察することです。研究の流行に遅れずとも流されず、100年後にも価値あるデータの蓄積に努めたいと考えています。
代表的な研究業績
Vocalizations of the Ryukyu Scops Owl Otus elegans : individually recognizable and stable. M. Takagi. Bioacoustics, 2018.
Fine-scale spatial genetic structure in the Minami-daito Island population of the Ryukyu scops owl Otus elegans. A. Sawada, T. Iwasaki, M. Takagi. Journal of Zoology, 2018.
Song performance is a condition‐dependent dynamic trait honestly indicating the quality of paternal care in the bull‐headed shrike. Y. Nishida, M. Takagi. Journal of Avian Biology, 2018.
Distinctive Features of the Skull of the Ryukyu Scops Owl from Minami-Daito Island, Revealed by Computed Tomography Scanning. A Sawada, T. Yamasaki, Y. Iwami, M. Takagi, Ornithological Sciemce. 2018.17:45-55.
Habitat Selection by the Bull-Headed Shrike Lanius bucephalus on the Daito Islands at the Southwestern Limit of Its Breeding Range. 2017. Ornithologcal Science, 16:79-87.
学位 | 博士(農学) |
学歴・職歴 | 1997年 北海道大学大学院農学研究院 博士後期課程修了 1997-1998年 日本学術振興会 特別研究員(立教大学) 1998年 大阪市立大学理学部 助手 2001年 豪州メルボルン大学動物学部 客員研究員 2006年 大阪市立大学大学院理学研究科 講師 2008年 大阪市立大学大学院理学研究科 准教授 2016年- 現職 |
所属学会 | 日本鳥学会, 日本生態学会, 日本鳥類標識協会 |
居室 | 理学部5号間 5-513号室 |