研究者情報

佐田 和己

教授

SADA Kazuki

分子情報操作が生み出す新機能材料を創る!

化学部門 物理化学分野

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研究テーマ

・親油性電解質を用いたソフトマテリアルの開発
・クリックケミストリーを利用したMetal-Organic Frameworks (MOFs)の事後修飾
・有機結晶の異方的表面を利用した複合材料の開発
・生体分子ロボットの創製
・Metal-Organic Frameworksを鋳型にした高分子ゲルの合成と機能
・高分子溶液でのLCST型相転移の分子デザイン
・分子機械としての凝集誘起発光の制御
・分子モーターを利用した動的自己組織化

研究分野超分子化学, 結晶工学, 高分子化学, 有機機能化学, ソフトマターの科学
キーワード超分子化学, 結晶工学, 高分子化学, 高分子ゲル, 分子集合体, 刺激応答性高分子, 分子情報操作, 動的分子認識, バイオモーター, 自己組織化, 凝集誘起型発光, 有機結晶, 高吸収性樹脂, 分子認識

研究紹介

複数の化合物が混ざったものを混合物と呼びますが、一般的に化学としてはあまりいいイメージの言葉ではありません。なぜなら、これまでの化学はいかにして純粋な化合物を合成し、単離し、分析するか?に焦点があてられてきたからです。このような従来の考え方に対して、積極的に数種ないしは十数種類の化合物から成る混合物を作り、それぞれの成分単独ではなし得ることができない機能・構造・反応を作り出すことを目指し研究を行っています。複数の化合物を混合することにより、化合物間の会合・離散を巧みに制御し、何層もの階層の異なる構造体をつくり、物質やエネルギーをやりとりさせ、新しい現象の発見や理解、新規機能性材料の開発を目的としています。究極の混合物として生物の基礎となる細胞を挙げることができます。細胞は細胞膜を仕切りとするミクロンサイズの器に入った複雑な混合物であり、その構成成分は高度に制御され、「生きている状態」を作りあげています。40億年の進化の結果である生物が作り出す豊かな機能・情報をもつ混合物には及びませんが、有機化学・高分子化学・物理化学・非平衡熱力学などの知識を総動員して、「複雑系」にチャレンジし、生命の本質に迫ろうと思っています。

代表的な研究業績

S. Sunaga, K. Kokado, K. Sada, Lipophilic polyelectrolyte gel derived from phosphonium borate can absorb a wide range of organic solvents, Soft Matter 2018, 14, 581-585.
T. Ishiwata, A. Michibata, K. Kokado, S. Ferlay, W. Hosseini, K. Sada, Box-like gel capsule from heterostructure based on a core-shell MOF as template of crystal crosslinking, Chem. Commun. 2018, 54, 1437-1440.
K. Kokado, T. Machida, T. Iwasa, T. Taketsugu, K. Sada, Twist of C=C Bond Plays a Crucial Role in the Quenching of AIE-Active Tetraphenylethene Derivatives in Solution, J. Phys. Chem. C 2018, 122, 245-251.
J. J. Keya,R. Suzuki, A. M. R. Kabir,D. Inoue, H. Asanuma, K. Sada, H.Hess, A. Kuzuya, A.Kakugo, DNA-assisted swarm control in a biomolecular motor system, Nature Commun. 2018, 9, 453.
Organic Reaction as a Stimulus for Polymer Phase Separation, M. Naya, Y. Hamano, K. Kokado, K. Sada, ACS Macro Lett. 2017, 6, 898-902.
学位博士(工学)
自己紹介

"One for all, all for one" ("Un pour tous, tous pour un")はアレクサンドル・デュマの「三銃士」の誓いの言葉であり、ラグビーにおける金言です。ひとりがみんなのことを、みんながひとりのことを大切に思い、動くことができれば、個人の能力を最大限に引き出すことができるだけではなく、強くしなやかな集団ができ、仲間とともに大きな目標に向かって進むことができることを意味しています。わたしはそのような強さをもつ集団のみが独創的な研究を生み出し、イノベーションを成し遂げることができると固く信じており、研究室としてそのような集団を目指したいと思います。研究とは大航海時代において未知の大陸を探すことに似ています。果てしない海を航海しながら、何ヶ月も島影さえ見えないこともあります。また島が見えたとしても、競争相手がすでに上陸していることもあります。研究室の楽しい仲間と共に、厳しいこと、つらいことを乗り越え、この未知なる「宝物」をONE PIECEの主人公のように捜し求めたいと思っています。常に一歩でも前進しようとする意志を持ち、同時に仲間を思い遣ることができる個性豊かな人材を求めています。あなたも「麦わらの一味」を目指しませんか? 

学歴・職歴1985年 京都大学工学部 卒業
1990年 京都大学大学院工学研究科博士前期課程 修了
1990年 京都大学大学院工学研究科博士後期課程 単位認定退学
1990-1995年 岐阜大学 助手
1995-1998年 大阪大学 助手
1998-2002年 大阪大学大学院 助手
2002-2007年 九州大学大学院 助教授
2007-2010年 九州大学大学院 准教授
2010年- 現職
所属学会日本化学会, 高分子学会, 米国化学会, ホストゲスト研究会
居室理学部7号館 7-214号室
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