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黒岩 麻里 教授(生物科学部門 生殖発生生物学分野)次世代の女性教員を顕彰する「桂田芳枝賞」を受賞

黒岩 麻里 教授(生物科学部門 生殖発生生物学分野)が次世代の女性教員を顕彰する「桂田芳枝賞」を受賞しました。おめでとうございます。

左から、矢野理香 ダイバーシティ・インクルージョン推進本部副本部長、寳金清博 北海道大学総長、廣中幸子氏(桂田氏の大姪)、黒岩麻里 教授、山口淳二 理事・副学長・ ダイバーシティ・インクルージョン推進本部本部長

【賞の目的】
 北海道大学において、学術上優れた研究を展開するとともに、次世代の管理職等として活躍することが期待される本学所属の女性教員を顕彰することで、当該女性教員自身及びこれに続く多くの女性教員の励みとし、上位職並びに管理職への女性登用の促進に繋げることを目的としています。

【賞の命名由来】
 本賞は、本学理学部教授であった桂田芳枝氏(1911-1980)に因んでいます。桂田氏は、女性が大学において学び、研究することに多くの困難を伴った時代にあって、数学を学びたいという強い意思を持ち続け、1940年に北海道帝国大学(北海道大学の前身)に入学しました。数学科において幾何学を専攻した桂田氏は、卒業後、北海道帝国大学理学部数学科助手となり、1950年には「高次空間の非ホロノム系における展テンゾルの作用について」の研究により、数学分野において日本では女性初となる理学博士の学位を取得しました。さらに、1967年には、旧帝国大学では女性として初めて、講座担任の教授となりました。この間何度も、位相幾何学の大家、スイス連邦工科大学のハインツ・ホップ教授の招きを受けて共同研究を行ない、大きな成果を上げました。こうした業績が評価され、1973年には自然科学の分野で「北海道文化賞」を受賞しました。

 桂田氏は、女性研究者のパイオニアの一人として道を切り拓き、専門分野をリードする卓越した研究成果を上げ、教育活動などを通じ社会に大きく貢献しました。その功績を称えて、高い志をもって研究し社会発展に寄与する女性の次世代リーダーの育成を目指して、本学女性教員を対象とした「国立大学法人北海道大学桂田芳枝賞」を創設しました。

◆桂田芳枝先生のご紹介はこちら(理学研究院数学部門)
◆桂田芳枝賞 授与式についてはこちら
◆桂田芳枝賞 授与式の様子はこちら

 

【特別展示の概要】
「国立大学法人北海道大学桂田芳枝賞」の創設を記念して、北海道大学大学文書館(本学の歴史に関する資料を収集・公開する機関)では、賞の命名由来となった桂田氏の足跡を紹介する特別展示を2023年10月5日(木)から開催します。 2023年5月、大学文書館では、廣中幸子氏から、余市町の桂田家で保管されていた桂田氏ゆかりの資料7箱をご寄贈いただきました。寄贈資料は、研究資料・原稿類、写真、書簡・電報、書類、証書・表彰状、愛用のカメラ、海外出張時の鞄、「桂田教授室」の表札など多岐にわたります。これらの資料を中心に、大学文書館では特別展示「数学者桂田芳枝が切り拓いた女性研究者の道」を開催し、桂田氏が学生時代から数学者として大成するまでに歩んだ道のりをたどります。

【日 程】 2023年10月5日(木)~ 2024年8月5日(月)
    平日(月~金曜日)の開館日時(9時30分~16時30分)に公開
【場 所】 北海道大学大学文書館(札幌市北区北8条西8丁目) 1階 沿革展示室
【主 催】 北海道大学大学文書館
【対 象】 一般市民
【参 加 費】 無料
【言 語】 日本語のみ
【参加方法】 不要(直接会場へお越しください)