研究テーマ | 地球の気候を支配する大気と海洋について,「どのように」そして「なぜ」自然変動や人為起源の変化が生じ,両者が相互作用するのかについて,現象の新発見と仕組みの解明に挑戦します. |
研究分野 | 気象学, 海洋学, 気候動学 |
キーワード | 大気または海洋の変動, 大気または海洋の変化, 大気海洋相互作用 |
研究紹介
大気と海洋の自然な気候変動,人為起源の気候変化,そして両者の相互作用についての研究において,世界をリードする成果を挙げてきました.
今日太平洋十年振動(Pacific Decadal Oscillation, PDO)として知られる現象の共同発見論文とをPDOwo提案しました(Minobe 1997).この論文は,米国地球物理学連合を代表する学術雑誌Geophysical Research Letters で出版され,その雑誌で同年出版された論文で最多の引用を受けています(2019年1月現在).中緯度海洋で熱帯から膨大な熱を運ぶ海流が,対流圏を貫くように大気に影響を与えることを発見した論文をNatureの表紙論文として出版し(Minobe et al. 2008),中緯度大気海洋相互作用にブレークスルーをもたらしたました.地球温暖化によって生じる海面上昇が,大洋の西岸(日本の太平洋岸や米国東海岸)にどのように顕現するかの理論を提案し(Minobe et al. 2017),同論文は米国気象学会が年間10-20編を取り上げるハイライト論文に選ばれました.最近では生物地球化学にも研究を広げ,温暖化で重要な問題の一つである海洋中の酸素減少について,全球の変化の実態を明らかにした論文を出版し(Ito Minobe et al., 2017),国際的に大きな反響を呼びました.
また日本の気象に重要な現象として,黒潮大蛇行が南岸低気圧に影響し首都圏に降雪をもたらすこと(2012年),および黒潮からの熱が爆弾低気圧の発達に重要であることを示し(2017年),それぞれ広く報道されました.
指導する大学院生も国際的に高く評価され,米国地球物理学連合秋季大会(2008年,米国)で学生ポスター賞,最大規模の科学プロジェクトであるCLIVARのOpen Science Conference (2016年,中国)と海洋酸素減少会議(2018年,ドイツ)で若手研究者ポスター賞を,いずれも日本からただ一人受賞しています.
これらの成果は幸い国内外で高く評価され,国内では文部科学大臣賞,総理大臣賞を受賞する栄誉に恵まれるとともに,国際科学組織の作業部会やパネルの共同議長を務めるなどしてきました.今後も学生とともに国際研究をリードできる高いレベルの研究を行うともに,日本に重要な現象についても目を向けていきたいと考えています.
代表的な研究業績
関連産業分野
自己紹介 | 北海道出身です.一番の趣味はテニス.シングルスの草トーナメントにC・D級で出場しています.ピアノ少し弾きます.帰省した家族に料理を作るのがとても楽しみです. |
所属学会 | 日本海洋学会, 日本気象学会, 日本地球惑星科学連合, 米国地球物理学連合, 米国気象学会 |
居室 | 理学8号館 8-319室 |