研究テーマ | 1. ミクロな拡張多極子に基づいた電子物性表現論の構築 |
研究分野 | 物性物理学, 強相関電子系, 低温物理学 |
キーワード | 多極子, 強相関電子, トポロジカル磁性, マルチフェロイクス, スピントロニクス, スピン軌道相互作用, 相転移, 非線形光学, 量子相, フラストレーション, 超伝導, 非相反マグノン, トロイダルモーメント |
研究紹介
物質科学の魅力の1つは、組み合わせる元素の種類や組成比、結晶構造の違いによって、磁性や超伝導、誘電性などの異なる物性が現れる多様性です。その中でも相関電子系では、固体中の電子同士が互いのクーロン反発力の影響を強く受けることにより、電荷の自由度だけではなく、スピンや軌道の自由度といった他の内部自由度が重要な役割を果たすようになります。これらの内部自由度は、スピン軌道相互作用や結晶構造の歪みといった様々な要素を通じて絡み合うことによって、通常の金属や半導体では考えられない面白い性質を生み出します。 私は、こうした強相関電子系が示す多彩で魅力的な物性現象を理解するうえで重要な要素を最小限だけ取り入れたモデルに対して、量子統計力学に基づいた理論解析と数値シミュレーションを相補的に用いた研究を行っています。研究を通して、これまでにない新しい量子状態や物性現象の発見・理解といった基礎物理の開拓に留まらず、次世代のテクノロジーの理論的な基盤を提供することを目指しています。
代表的な研究業績
S. Hayami, M. Yatsushiro, Y. Yanagi, and H. Kusunose, Phys. Rev. B 98, 165110 (2018)
S. Hayami and Y. Motome, J. Phys.: Condens. Matter 33, 443001 (2021).
S. Hayami and H. Kusunose, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 033709 (2018).
S. Hayami, R. Ozawa, and Y. Motome, Phys. Rev. B 95, 224424 (2017)
S. Hayami and M. Yatsushiro, Phys. Rev. B 106, 014420 (2022).
学位 | 博士 (工学) |
学歴・職歴 | 2010年 大阪大学基礎工学部電子物理科学科 卒業 2012年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 修士課程修了 2014年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 博士後期課程修了 2014年 日本学術振興会 特別研究員 2015年 ロスアラモス国立研究所 理論部門 ポスドク 2016年 北海道大学大学院理学研究院物理学部門 助教 2019年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 講師 2020年 科学技術振興機構 さきがけ研究者 兼任 2022年- 現職 |
所属学会 | 日本物理学会 |
居室 | 理学部2号館 11-13室 |