研究ニュース

北海道大学の深海生物調査に協力 磐城海山にて新種の宝石サンゴを発見

一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究所(沖縄県本部町、以下、沖縄美ら島財団総合研究所)と、国立大学法人北海道大学(以下、北海道大学)の共同研究グループは、平成21年に北海道大学が実施した深海生物調査において採集された宝石サンゴ標本が、新種であることを明らかにしました。調査結果は日本動物分類学会英文誌「Species Diversity」に掲載されました。

<研究の概要>
平成21年に北海道大学が実施した調査で、一点の宝石サンゴ標本が採取されました。採集者の角井博士は、宝石サンゴ類を含む八放サンゴ類の専門家である、沖縄美ら島財団総合研究所の野中に標本の調査を依頼しました。 当該標本は筒状に伸長するポリプ(サンゴ個体)を持つ特徴があり、また遺伝子による分析からもミゾサンゴ属(Hemicorallium属)の一種であることが分かりました。また、①ポリプの直径(2㎜超)、②共肉とポリプの色、③組織内の骨片の大きさや形が、これまでに記録されているどの種類とも異なっており、新種であることが判明しました。 今回の宝石サンゴ標本が発見された、磐城海山を望む本州太平洋岸では、古来カノープス(りゅうこつ座の一等星)を「メラ星」と呼び、その赤い星が水平線に現れると海が荒れる、として神格化してきました。この新種サンゴの特徴は、メラ星のごとく「赤くて大きなポリプ」であることから、「メラボシサンゴ(学名:Hemicorallium meraboshi)」と命名しました。
 * 宝石サンゴ類:水深100m以深に生息するサンゴの仲間。サンゴ礁のサンゴとは別のグループのサンゴで、その非常に堅い骨格は宝石として加工される。
 * 磐城海山:福島県いわき市沖の東方約340kmに位置する海山。水深5,600mからそびえる「標高」約3,900mをほこる富士山級の巨大海山。

詳細はプレスリリースをご覧下さい。

発表雑誌
雑誌名:Species Diversity
論文名:A New Species of Coralliidae (Cnidaria: Octocorallia) Collected from Eastern Japan
著者名:野中正法1、花原 望1、角井敬知2 (1一般財団法人 沖縄美ら島財団 総合研究所) (2国立大学法人 北海道大学 大学院理学研究院)
掲載日:2023年11月9日(オンライン版)、11月25日(冊子版)
DOI: https://doi.org/10.12782/specdiv.28.231
代表研究者
野中 正法(のなか まさのり): 一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究所 統括 専門は八放サンゴ類の分類学、生態学