研究ニュース

求愛ダンスを見せびらかす小鳥のカップルたち

  • 小鳥の求愛について,観客(第三者となる同種他個体)の影響を解明。
  • ルリガシラセイキチョウは雌雄共に,ふたりきりの時より観客がいる時に多くタップダンスをした。
  • この行動変化は,この小鳥の複雑な求愛行動が周囲の個体への宣伝に用いられていることを示す。

北海道大学大学院理学研究院の相馬 雅代 准教授らの研究グループは,ルリガシラセイキチョウ(以下セイキチョウ)が,第三者が存在するときにより頻繁に求愛行動を行うこと,また,第三者が同性より異性の方がより多く求愛することを解明しました。

他個体の存在によって行動の内容や量が変化することを観客効果といいます。本研究では,一対一のコミュニケーションが想定されがちであった鳥類の求愛行動において,求愛相手以外の第三者(観客)の存在がどのように影響するのかに着目し,観客効果を検討しました。

セイキチョウは社会的一夫一妻制の小鳥で,雌雄共に歌(さえずり)と「タップダンス」を組み合わせた求愛行動をおこないます。オスとメス 2 羽だけの状況と,近くに第三者が加わった状況とで求愛行動を比較したところ,第三者が存在する状況下でより多くのダンスが見られました。ダンスは第三者ではなく求愛相手に向けて頻繁に行われていたことから,この行動は 2 羽の関係を周囲にアピールし,求愛相手をライバルから守る・雌雄間の絆を深めるといった機能を果たしていると考えられます。

なお,本研究成果は,米国東部時間2018年10月3日(水)公開のScience Advances誌にて公開されました。

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