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化学科ウェブサイトシリーズ「何を化えたい」第五弾、【結合の常識を化えたい鈴木 孝紀 教授石垣 侑祐 助教】公開されています

好評のシリーズ「何を化えたい」第五弾、【結合の常識を化えたい/鈴木 孝紀 教授・石垣 侑祐 助教】が、化学科ウェブページに公開されています

写真左:石垣 侑祐 助教、右:鈴木 孝紀 教授

基礎研究の目標はいかに見たことのないものを見つけるか

【鈴木】常識を打ち破ってブレイクスルーしないと社会問題は解決しないでしょう。その点、高校で学んだ化学のイメージから見ると大学の化学は広範囲で、常識を超えることに邁進していると言えます。

【石垣】有機化合物は炭素や水素、酸素、窒素といった原子で構成され、これらの原子同士が互いに結合することで有機分子をつくります。この「化学結合」は物質を形作るための骨格となるもので、中でも炭素―炭素結合は有機化合物の基礎であることから、化学の本質的な解明の鍵なのです。私たちの専門である構造有機化学は、この結合を自在に組み合わせることで今まで合成されたことがないまったく新しい分子構造を設計し、これまで知られていない現象を創る分野です。世界的に見て日本はこの分野ではかなり強く、太陽電池や有機ゲルといった機能性有機化合物やデバイス開発につながっています。

【鈴木】ただ、このような基礎研究が実際に社会に役立つものに繋がるには20年くらいかかります。

【石垣】構造有機化学の分野の研究対象で、みなさんがよく知っているものにフラーレンがあります。ノーベル賞を受賞したフラーレンの何が新しかったと言うと、それまで炭素だけでできている分子と言えばダイヤモンや黒鉛のように塊やシート状のものしかなかったのに、三次元構造でつながっている状態のものがつくられたことです。最初は構造が面白いって思われていただけなのですが、簡単につくれるようになり、薬やデバイスに使えそうだって気がつくのはフラーレンの研究が始まってからずっと後のことなんです。有機ELも基礎研究から20年ぐらい後に製品化されました。

【鈴木】基礎研究の多くは最初から製品化や応用を目標にしておらず、今までになかったものをつくり、見たこともない現象を解明するところまでで、応用研究の人たちがその先に面白い性質を見つけて製品に応用してくれます。

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