北海道大学と東北大学が第4回宇宙開発利用大賞「宇宙航空研究開発機構理事長賞」を受賞
【賞の概要】
宇宙開発利用大賞は,宇宙開発利用の推進において大きな成果を収める,先導的な取り組みを行う等,宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し,その功績をたたえることにより,我が国の宇宙開発利用の更なる進展や宇宙開発利用に対する国民の認識と理解の醸成に寄与することを目的とした内閣府の表彰制度です。
【受賞内容】
事例名: アジア諸国への超小型衛星技術教育と実利用ネットワークの構築
受賞者:
北海道大学大学院理学研究院 教授 高橋幸弘,特任准教授 栗原純一,特任助教 石田哲朗,プログラムコーディネーター 百田恵理子
東北大学大学院工学研究科 教授 吉田和哉,特任准教授 坂本祐二,准教授 桒原聡文,特任助教 藤田伸哉
【受賞理由】
北海道大学と東北大学は,フィリピンと共同で,同国開発の第1号衛星「DIWATA-1」及び第2号衛星「DIWATA-2」を打上げ,運用しています。同衛星には世界最高性能のスペクトルカメラなど4種類の撮像装置が搭載されており,災害,農業,漁業,森林,環境など,世界が直面する地球規模課題の解決に向け,革新的な衛星データ利用の確立を進めています。両大学は,同様のプロジェクトをミャンマー及びマレーシアとも開始し,さらなる展開が期待されています。
今回の受賞のポイントについて,選考委員会からは「フィリピン初の人工衛星打上げと運用を成功に導いたことは,国際貢献上大きな成果。加えて,キャパビル,宇宙庁の設置,衛星画像の利用システム構築,大学ベンチャーの設立,日本の技術的プレゼンスの向上など,多面にわたる成果がでており,評価に値する。フィリピンへの宇宙産業の将来的な海外展開の端緒を開いたものとして評価できると共に,今後の他国への展開も期待できるものである。」との評価をいただきました。
【受賞者のコメント】
両大学を超小型衛星開発のパートナーとして選んでいただいたフィリピンの皆さんに感謝するとともに,ご協力をいただいた関係者の皆様に御礼を申し上げたいと思います。両大学で学んだ若手技術者・研究者の皆さんがフィリピンに戻って次世代の若手を指導しており,これから設立されるフィリピン宇宙庁においても重要な役割を担うことが期待されています。今後はこの取り組みを成功事例として他のアジア諸国に展開し,新たな宇宙開発利用に向けた国際的なネットワークを発展させていきたいと考えています。
【授賞式での集合写真】
詳細は北大プレスリリースをご覧ください。