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トカラ列島近海の群発地震に同期する地殻変動を発見非地震性すべりが2025年群発地震を引き起こした可能性

【ポイント】

  • トカラ列島に設置された国土地理院とソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)の GNSS(注1)観測データの解析により、2021年以降に発生した4回の群発地震活動それぞれに同期して、群発地震活動期間外とは異なる一時的な(過渡的な)地殻変動が起きていたことを発見しました。
  • 2025年に発生した群発地震活動の際には、地震活動域の拡大に対応して、急激に島と島の間が拡大するように見える、それまでの事例と時空間的特徴の異なる地殻変動が発生していました。
  • 2025年群発地震活動期間中の地殻変動をモデル化した結果、この地殻変動は、断層の過渡的な非地震性すべり(注2)に起因する可能性が示唆されました。

【概要】
鹿児島県トカラ列島近海では、過去に群発的な地震活動が度々発生してきましたが、これらの地震活動を引き起こす要因は明らかになっていませんでした。東北大学、北海道大学、鹿児島大学の共同研究チームは、国土地理院の運用するGEONET観測局とソフトバンクの独自基準点のGNSS観測データの解析を実施しました。解析の結果、解析開始日である 2019年以降に発生した4回の群発地震活動の発生期間中に、過渡的な地殻変動が観測されました。また、2025年群発地震の期間中には、地震活動域の拡大に対応して、それまでの事例では見られなかった時空間的特徴を有する地殻変動が観測されました。2025年群発地震に同期した過渡的変動の力源モデルを推定した結果、これらの地殻変動は、非地震性すべりによるものであることが示唆されました。
本成果は、2026年7月1日付で学術誌Earth, Planets and Spaceに掲載されました。

【用語説明】
注1. GNSS
アメリカ合衆国の運用する GPS に代表される、人工衛星を用いて地球上の受信装置の位置を測定するシステムの総称。現在、航法支援等に広く用いられている。受信装置を地面に固定し連続的に計測を行うことで、地球の中心に対する地面の位置の時間変化、すなわち地殻変動を観測することができる。
注2. 非地震性すべり
地震波を伴わないゆっくりとした断層すべりの総称。大地震の直後に観測される余効すべりや、自発的に開始するスロースリップが含まれる。

【論文情報】
タイトル:Recurrent earthquake swarms and transient crustal deformation off the Tokara Islands, southern Japan: Insights from the 2025 swarm sequence
著者:Yutaro Okada, Yusaku Ohta, Miku Ohtate, Yoshiaki Ito, Mako Ohzono, Hiroshi Yakiwara, and Shigeru Nakao
URL:https://link.springer.com/article/10.1186/s40623-026-02489-6

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