研究者情報

瀧野 純矢

助教

TAKINO Junya

複雑な天然化合物を合成する

化学部門 有機・生命化学分野

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研究テーマ

化学反応と酵素反応を駆使した天然有機化合物の合成

研究分野有機化学, 天然物化学, 酵素学, 有機合成化学
キーワード天然物, テルペン, ポリケタイド, 有機化学反応, 酵素, 化学合成, 生合成

研究紹介

天然に存在する植物や微生物などは、人類の想像を超えた構造を持つ有機化合物(天然物)を数多くつくっています。その中には、優れた生理活性・生物活性を示すことで医薬品や農薬、薬剤開発におけるリード化合物、バイオセンサーなどとして使われるものが存在します。天然物を効果的に利用して人類の生活を豊かにするためには、未知の天然物を発見すること、天然物の機能を知ること、生物がどのように天然物を合成しているか知ること、天然物を人工的に合成することが必要です。特に、十分な量の天然物を生物資源だけから供給することは難しいため、合成研究の重要性は高いと言えます。
我々は、天然物の効率的な人工合成を目指して、多種多様な化学反応の組み合わせや、複雑な構造を合成するための新たな反応の開発、特異的な酵素反応の利用などの基礎研究を行っています。また、基礎研究の積み重ねによって達成した天然物の量的供給を通じて、薬剤開発や作用機序解明など関連分野や社会への貢献を目指しています。

代表的な研究業績

Elucidation of Late-Stage Biosynthesis of Phomoidride: Proposal of Cyclization Mechanism Affording Characteristic Nine-Membered Ring of Fungal Dimeric Anhydride. S. Yamamoto, T. Matsuyama, T. Ozaki, J. Takino, H. Sato, M. Uchiyama, A. Minami, H. Oikawa, J. Am. Chem. Soc. 144, 46, 20998−21004 (2022).
Biochemistry-guided prediction of the absolute configuration of fungal reduced polyketides. J. Takino, A. Kotani, T. Ozaki, W. Peng, J. Yu, Y. Guo, S. Mochizuki, K. Akimitsu, M. Hashimoto, T. Ye, A. Minami, H. Oikawa, Angew. Chem. Int. Ed. 60, 23403-23411 (2021)
Elucidation of biosynthetic pathway of a plant hormone abscisic acid in phytopathogenic fungi. J. Takino, T. Kozaki, T. Ozaki, C. Liu, A. Minami, H. Oikawa, Biosci. Biotech. Biochem. 83, 9, 1642-1649 (2019)
Unveiling Biosynthesis of the Phytohormone Abscisic Acid in Fungi: Unprecedented Mechanism of Core Scaffold Formation Catalyzed by an Unusual Sesquiterpene Synthase. J. Takino, T. Kozaki, Y. Sato, C. Liu, T. Ozaki, A. Minami, H. Oikawa, J. Am. Chem. Soc. 140, 39, 12392-12395 (2018)

関連産業分野

医薬品, 農薬
学位博士 (理学)
学歴・職歴2018年 北海道大学理学部化学科 卒業
2019年 北海道大学大学院総合化学院 修士課程修了
2022年 北海道大学大学院総合化学院 博士後期課程修了
2022年-2023年 北海道大学大学院理学研究院化学部門 博士研究員
2020年-2023年日本学術振興会特別研究員 (DC1/PD)
2023年 北海道大学大学院理学研究院化学部門 アンビシャス特別助教
2024年- 北海道大学大学院理学研究院化学部門 助教
所属学会日本化学会, 日本農芸化学会
居室理学部6号館 6-607室
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所属・担当