研究テーマ | ハートリー・フォック法、厳密対角化法、群論、スピン波理論を用いた |
幼少の頃見ていた特撮映画に、よく“物理学者”(あるいは専門がよくわからない謎の博士)がチームのブレインとして登場していました。私は主役のヒーロー達よりも、劣勢状況を逆転する新たな武器や戦術をもたらす“物理学者”に憧れました。これが研究者を目指すきっかけだったのかもしれません。高校・大学と進む中で、“大胆な発想と緻密な論理を以て自然現象の解明に挑む”という物理学の本来の魅力にはまり、いまに至る、という感じです。
物質中の電子は、小さな磁石(スピン)と見なすことが出来ます。これらはお互いの関係に敏感です。例えば、周りと同じ向きに揃いたがり、それが全体で達成できれば、その物質は大きな磁石(強磁性体)として振る舞います(図1A)。しかし、個々の要求を全体として満たすことが出来ない場合(図1B)、にわかに予想のつかない集団的挙動を示すことがあります。このフラストレイション(葛藤)に起因する特異な磁性を、量子統計力学に基づき理論面から調べています。中性子や光を照射したときの応答を解析し、観測にどのように現れるかを予言したり、理論解析手段そのものを作り上げることも目指しています。
体を動かすことが好きで、大学時代は友人と草サッカーをしていました。最初は少人数だったのですが、次第に参加人数も増えて行き、他のチーム(?)も加わりリーグ戦の真似事なども行いました。最近は自転車の魅力に目覚め、晴れた日など、川沿いや海沿いを、のんびり走っています。春・夏の北海道はサイクリングに最適です!
アーノルド・シュワルツネッガー主演映画に登場した“レール・ガン”の原理が、当時授業で習ったローレンツ力(F=I×B)を応用していると知り、自分で作れるか試したことがあります。最初は電池を使っていたのですが、より大きな電流を得るため、家庭用電源を使うことを思いつきました。電気スタンドの豆球を割り、中のフィラメントに通電した瞬間、フィラメントは目の前で激しい閃光・音とともに蒸発し、とても怖い目に会いました。勿論、実験は中止です。以来、実験装置などに触れるときには(私は理論分野なので、それほど機会はありませんが)細心の注意を払うようになりました。