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令和元年度「地域イノベーションエコシステム形成プログラム」採択について

文部科学省の「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に、北海道と北海道大学が共同で提案していた「北海道大学のスペクトル計測技術による「革新的リモートセンシング事業」の創成」が採択され、北海道が支援対象地域として決定されました。

【採択事業の概要】
北海道大学のスペクトル計測技術を活用した
①北海道の主要農作物の生育診断技術の開発
②プランテーション作物の病害虫診断技術の開発

・事業期間:3年間
・事業規模:年間1.0億円~1.4億円程度

 

国内の農業従事者の減少や、気候変動にも関連する可能性がある国内外の病害虫被害の爆発的拡大が、農業における大きな課題になっています。それらの解決を目指すスマート農業において、作物や圃場の状態把握を広範囲で把握できる衛星やドローンを用いたリモートセンシングは、重要な基幹技術の一つです。

しかし、従来型のカメラを用いた計測では、生育や病害虫診断の精度に限界があり、多くの企業が挑戦を続けているものの、ほとんどが大きな利益に繋がっていないのが現状です。一方、作物や土壌の色を細かく分けて計測する精密スペクトル計測が、有用な情報をもたらすことは多くの事例研究で報告されていますが、装置が高価・大型であり、またスペクトルは太陽の当たる角度とカメラの見る角度に依存して大きく変わってしまうことが、大きなネックになっています。

本事業では、北海道大学が特許を有する、安価なハンディ計測器やドローンを用いたスペクトル計測手法、さらに、世界随一の性能を誇る衛星搭載スペクトルカメラを組み合わせることで、従来の1/10から1/1000のコストでの精密スペクトル計測を可能にします。それらを用い、日射角度とカメラ方向の組み合わせを網羅した、スペクトルライブラリーを構築することで、作物の生育や病害虫診断の精度を飛躍的に向上させると共に、実運用における観測頻度を桁違いに上げることができます。その結果、費用対効果を大幅に改善し、事業として成立させることを目指します。

また、本事業は、スペクトル及び圃場状態の計測技術を持つ大学・企業と、IT 技術を持つ企業、農業従事者につながる企業などからなる、北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会(事務局:北海道)のプロジェクトチームと連携して実施するとともに、こうした精密スペクトル計測に基づく高度なリモートセンシング技術の農業以外の分野への展開可能性についても、北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会と公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)が連携して調査を行います。

 

詳細は北海道大学プレスリリースをご覧ください。

 

【連絡先】
[北海道大学窓口]
大学院理学研究院 地球惑星科学部門 宇宙惑星科学分野(担当:高橋 幸弘
TEL:011-706-9244

[北海道窓口]
経済部産業振興局科学技術振興室産学官連携グループ(担当:鷲頭)
TEL:ダイヤルイン011-204-5127 内線26-827