研究者情報

堤 拓朗

アンビシャス特別助教

TSUTSUMI Takuro

ポテンシャルエネルギー地形に基づく化学反応機構の解明

化学部門 物理化学分野

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研究テーマ

次元縮約反応経路地図に基づいた第一原理反応動力学解析法の開発

研究分野理論化学, 計算化学, 反応動力学, 光化学, 情報科学
キーワード第一原理分子動力学法, 反応経路解析, 励起状態計算, 次元縮約法, 反応空間投影法, 汎用的プログラム開発

研究紹介

理論化学を用いた反応解析法には、反応物から生成物に至る最小エネルギー経路に着目した『反応経路解析法』と原子核運動に着目した『反応動力学解析法』があります。これまで、両者は独立に開発され、独自の発展を遂げてきましたが、実際にはポテンシャルエネルギー曲面を介して密接に関連しています。私は反応経路解析と反応動力学解析の長所を取り入れたポテンシャルエネルギー曲面に基づく反応解析理論の確立を目指して研究を進めてきました。これまでに数理科学的手法である次元縮約法を利用することで、多次元データである反応経路ネットワークを低次元化する『反応空間投影法(ReSPer)』を開発し、低次元ポテンシャルエネルギー地形を構築してきました。さらに、第一原理分子動力学シミュレーションにより得られた動的反応過程を低次元エネルギー地形に射影する方法論を整備し、化学反応機構に関する動力学的側面を明らかにしてきました(下図)。近年では、開発した反応空間投影法を励起状態光反応へ展開し、超高速ダイナミクスの反応機構解明に取り組んでいます。

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反応空間投影法(ReSPer)による低次元反応空間構築と動的反応過程の射影

代表的な研究業績

Analyses of trajectory on-the-fly based on the global reaction route map,
T. Tsutsumi, Y. Harabuchi, Y. Ono, S. Maeda, and T. Taketsugu,
Phys. Chem. Chem. Phys., 2018, 20, 1364-1372.
Visualization of reaction route map and dynamical trajectory in reduced dimension,
T. Tsutsumi, Y. Ono, T. Taketsugu,
Chem. Commun., 2021, 57, 11734-11750.
Reaction Space Projector (ReSPer) for Visualizing Dynamic Reaction Routes Based on Reduced-Dimension Space,
T. Tsutsumi, Y. Ono, T. Taketsugu,
Top. Curr. Chem. (Z), 2022, 380, 19.
Real-Time Probing of an Atmospheric Photochemical Reaction by Ultrashort Extreme Ultraviolet Pulses: Nitrous Acid Release from o-Nitrophenol,
Y. Nitta, O. Schalk, H. Igarashi, S. Wada, T. Tsutsumi, K. Saita, T. Taketsugu, T. Sekikawa,
J. Phys. Chem. Lett., 2021, 12, 674-679.

関連産業分野

化学
学位博士(理学)
自己紹介

PythonやGitHubを用いた汎用的プログラム開発に取り組んでいます。学部生の頃に高エネルギー加速器研究機構(KEK)が主催するサマーチャレンジに参加したことがあります。

学歴・職歴2016年 北海道大学 理学部化学科 卒業
2016年 北海道大学 物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム (3期生)
2018年 北海道大学 大学院総合化学院 総合化学専攻 修士課程 修了
2018年 日本学術振興会 特別研究員 (DC1)
2021年 北海道大学 大学院総合化学院 総合化学専攻 博士後期課程 修了
2021年 北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 博士研究員
2022年 - 現職(アンビシャス特別助教)
所属学会日本化学会, 理論化学会, 分子科学会
居室理学部7号館 7-512号室
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所属・担当