研究テーマ | マグマの生成・進化過程、地球内部の物質循環過程 |
研究分野 | 火山岩岩石学, 地球化学 |
キーワード | マグマ, 火山, 地殻, マントル, 水 |
研究紹介
私は,自然の詳細な観察(火山の地質調査,火山岩の岩石学的・地球化学的記載)をベースとし,必要に応じて熱力学や物理保存則の制約を利用しながら,マグマ溜まり内におけるマグマの熱・物質的進化,マグマの起源や生成条件,カルデラ噴火の準備プロセス,地球内部における水の循環プロセスなどについて,実証的な解明を目指した研究を行っています.また,これらの研究を遂行するためのツールとして,化学分析法の開発にも携わっています.
これらの中で特に力を入れているのが,地球内部の水循環についての研究です.水の惑星である地球では,水は大気や海洋などの表層域だけでなく,マントルの流動に付随して内部を大規模に循環しています(図「地球内部の水循環の模式図」参照).地球内部の水は,地表への効率的な熱・物質輸送の媒体であるマグマの生成を促進し,またマントル物質の粘性を低下させる働きをすることから,地球の熱・物質的進化の解明には,地球内部の水の循環過程の定量的な理解が不可欠です.現在,プレートの沈み込みに伴う表層域から深部(沈み込み帯以深;>~240 km)への水のフラックスは,マントル上昇流とそれに付随する火成活動に伴う深部から表層域へのフラックスよりも有意に大きく,海水量が次第に減少して地球の内部は含水化が進みつつあります.そこで,そのような水が地球内部のどこに蓄積されつつあるのか,つまり安定なリザバーであるマントル遷移層や核に蓄積されつつあるのか,それともマントル全体に分配されてマントルの粘性率を下げる働きをしているのか,について,マントル遷移層や下部マントルを起源とする火山岩の成分を詳しく解析することで明らかにしようとしています.
代表的な研究業績
学位 | 博士(理学) |
自己紹介 | 大阪出身です。 |
学歴・職歴 | 1995年 東京大学理学部地学科 卒業 1997年 東京大学大学院理学系研究科地質学専攻修士課程修了 2000年 東京大学大学院理学系研究科地質学専攻博士課程修了 2000-2006年 岡山大学地球物質科学研究センター 研究員 2006-2007年 京都大学地球熱学研究施設 研究員 2007-2010年 東北大学大学院理学研究科地学専攻 助教 2010-2011年 東北大学大学院理学研究科地学専攻 准教授(GCOE) 2011-2014年 大阪市立大学大学院理学研究科 准教授 2014年- 現職 |
所属学会 | 日本火山学会, 日本鉱物科学会, 日本地質学会 |
居室 | 理学部6号館 6-11-03号室 |