研究者情報

ピトン マリ

助教

Marie Python

海洋の底に何があるのでしょうか?

地球惑星科学部門 地球惑星システム科学分野

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研究テーマ

フィールドとサンプルの観察や分析に用いて海洋リソスフェアの形成過程を明かす

研究分野海洋地質学, 岩石学, 地球化学
キーワード海洋低, 海洋リソスフェア, 海洋低熱水作用, 海洋低火山活動, オフィオライト, 地球マントル, かんらん岩, はんれい岩

研究紹介

海洋リソスフェアの形成過程と進化を明らかにするために、オフィオラトのマントルと地殻のサンプルと現代の海洋で掘削されたマントルと地殻のサンプルを観察、分析をしている。掘削調査船Joides Resolutionで行われたIODP Exp. 345に掘削されたコアを使って海洋の下部地殻で起こっている様々なマグマプロセスや熱水作用を研究しれいる(写真1-2)。 オマーンオフィオライトは世界一大きくて、構造が保存されているオフィオライトである(写真3-4)。アラビア半島にオブダクトされたテシス海のスラブだと思われている。オフィオライトでの調査でサンプルだけではなく、路頭で海洋リソスフェアの構造や岩の環境(例えば岩脈、母岩、岩入などであるか見える)が見られる(写真5-6)。 私がやっている研究は海洋マントルとはんれい岩質の地殻で起こる様々なマグマプロセスや熱水作用を中心している。今までの主な結果は、オマーンオフィオライトのスケールで複数のマントルソースが見られる。そして、深い地殻で起こっているマグマのプロセス(結晶分化作用、メルトと岩反応、マグマ混合など)は地面で噴火されたマグマの化学組成に強い影響を及ぼす。

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港から出ている掘削船Joides Resolution (credit : Bill Crawford, IODP)
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4人の研究乗船者が東太平洋海嶺から掘削されたコアを見せている (credit : Bill Crawford, IODP)
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ユーラシア大陸の地図。オマーン国は赤い四角にある。
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北アラビア半島のLandsat写真。灰色黄色は砂漠や体積岩帯であり、暗い色ではオフィオライトである。
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オマーンオフィオライトで見られる枕状溶岩。
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オマーンオフィオライトでは、マントル-地殻境界は景色で見られる。

代表的な研究業績

Masako Yoshikawa, Marie Python, Akihiro Tamura, Shoji Arai, Eiichi Takazawa, Tomoyuki Shibata, Akira Ueda and Tsutomu Sato. Melt extraction and metasomatism recorded in basal lherzolites above metamorphic sole from the northern Fizh massif, the Oman ophiolite. Tectonophysics, 650, 53-64, 2015.
Kathryn M. Gillis, Jonathan E. Snow, Adam Klaus, Marie Python, Natsue Abe, Álden de Brito Adrião, Norikatsu Akizawa, Georges Ceuleneer, Michael J. Cheadle, Kathrin Faak, Trevor J. Falloon, Sarah A. Friedman, Marguerite M. Godard, Gilles Guerin, Yumiko Harigane, Andrew J. Horst, Takashi Hoshide, Benoit Ildefonse, Marlon M. Jean, Barbara E. John, Juergen Koepke, Sumiaki Machi, Jinichiro Maeda, Naomi E. Marks, Andrew M. McCaig, Romain Meyer, Antony Morris, Toshio Nozaka, Abhishek Saha and Robert P. Wintsch. Primitive Layered Gabbros from Fast-Spreading Lower Oceanic Crust. Nature, 505, 204-207, 2014.
Marie Python, Masako Yoshikawa, Tomoyuki Shibata and Shoji Arai. Diopsidites and rodingites in the Oman ophiolite mantle: serpentinisation and Ca-metasomatism. In Dyke Swarms: Keys for Geodynamic Interpretation, Rajesh K. Srivastava ed., Springer-Verlag, Heidelberg, 401-435, 2011.
Marie Python, Georges Ceuleneer and Shoji Arai. Chromian spinels in mafic-ultramafic mantle dykes: evidence for two-stage melt production during the evolution of the Oman ophiolite. Lithos, 106, 137-154, 2008.
Marie Python, Georges Ceuleneer, Yoshito Ishida, Jean-Alix Barrat and Shoji Arai. Oman diopsidites: a new lithology diagnostic of very high temperature hydrothermal circulation in mantle peridotite below oceanic spreading centres. Earth & Planetary Science Letters, 255, 289-305, 2007.
学位博士(理学)
自己紹介

ヨーロッパアルプスのふもとに育てられて、祖父母と大西洋海岸で学校の休みを過ごしていた私は、山と海を子供の頃から愛しています。学生の時に海洋地質学と出会って、こんな勉強すれば、将来海の上、山の中でやる仕事ができることが分かりました。とても幸せの出会いでした。

学歴・職歴2002年 Université Paul Sabatier, Toulouse (フランス)博士取得
2002年 Université Paul Sabatier, Toulouse (フランス)研究員
2004年 金沢大学大学院自然科学研究科(JPSP外国人特別研究員・井上科学振興財団 外国人研究者)
2008年 京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設 研究員(機関)
2010年 北海道大学大学大学院理学院 自然史科学専攻 地球惑星システム科学講座 特任助教
2015年 北海道大学大学大学院理学院 自然史科学専攻 地球惑星システム科学講座 助教(現職)
所属学会日本連合大会, 日本地質学会, EGU
プロジェクトオマーン掘削プロジェクト
IODP
居室理学部6号館 6-10-03号室

地球惑星科学部門 地球惑星システム科学分野

ピトン マリ

助教

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挑戦されている大きなプロジェクトを紹介してください。

「モホール」は、地球のマントルまで穴を掘って、そこにある物質を直接採ってこようという計画で、月探査計画とほぼ同時に始まりました。月探査は計画開始から20年ほどで人類は月面に到達しました。一方、マントルに到達するような穴を掘ることには70年を経た今なお成功していません。海洋地殻は大陸地殻より薄いため、海洋底に穴を掘ってマントルまで到達するよう深海を掘削できる地球深部探査船「ちきゅう」も作られました。しかし、ここ30年にわたる長引く世界の経済停滞の影響もあり、現在、計画が足踏みしていることはとても悲しいです。

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研究者になったきっかけは何ですか?

何にでも興味を持ち、母に質問する子供でした。母はそんな私の疑問に一生懸命答えてくれました。学校で数学や理科を勉強するようになると、科学を使って自然を理解することがとても面白くなりました。山や自然、アウトドア活動が大好きだったので、科学の中でも野外調査を基本とする地質学を目指したのはとても自然なことだったと思います。

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得意なこと、⼤好きなこと、趣味、⽇課を教えてください。

趣味はたくさんあります。一番好きなのは自然の中で過ごすことで、自転車、スキー、ロッククライミング、アイスクライミング、山登りなどで楽しんでいます。研究でも野外調査をしているときが一番楽しいです。アウトドア以外では読書や料理、そして、猫を可愛がることが好きです。