研究テーマ | 気象測器の観測による台風やモンスーンの解析 |
研究分野 | 気象学, 気候学 |
キーワード | 台風, モンスーン, 気象観測, データレスキュー, 歴史気象, 雷観測 |
研究紹介
地球表面の気象や気候を対象とした気象観測のフィールドワークと独自に入手して復元した過去120年以上の歴史気象データを駆使して、自然災害に直結する台風やモンスーンの様々な時間スケールの変動の研究を実施してきました。
フィールドワークの気象観測は、航空機で台風の目に突入し、ドロップゾンデの気象測器を投下し、台風観測を行いました(2018年台風24号の目の写真参照)。東南アジアのフィリピンや西太平洋の島々(パラオ・ミクロネシア)に地上気象観測測器を設置して観測を行い、写真「トビ島の雨量観測」参照、また、対流圏の大気の鉛直構造を調べるため、高層気象観測も陸上や船の上から行ってきました。写真「インドネシア船上での観測」参照。
アジア域での気象観測は19世紀後半から始まっていますが、現在利用可能な気象データは主に戦後に限られています。これまでにアジア沿岸国の気象機関や大学を直接訪問し、図書館などに保管され埋もれた紙媒体の地上気象、高層気象や台風経路資料を収集、電子化を行い、過去120年間の降水量のデータセットや台風経路データセットを独自に整備してきました。写真「発見したトコベ気象観測所跡」と図「フィリピンに上陸した台風の長期変動」参照。「データレスキュー」と呼ばれる過去の気象資料を復元する取り組みによって100年以上の気象データに基づいて地球温暖化や気候変動の議論ができるようになりました。
現在起きています台風や極端豪雨の減災をめざして、気象観測と雷観測を組み合わせた観測を実施していきます。写真「パラオでの雷観測」参照。また、「データレスキュー」を駆使することで、過去200年以上の気候を明らかにできると期待され、産業革命前の江戸時代と比べて人間活動が地球上にどの程度影響を及ぼしてきたのか明らかにしたいと考えています。
代表的な研究業績
関連産業分野
学位 | 博士(理学) |
自己紹介 | 横浜出身です。趣味で週末は吹奏楽団に所属してクラリネットを演奏しています。 |
学歴・職歴 | 1994年 北海道大学理学部地球物理学科卒業 1996年 東京大学大学院理学系研究科地球惑星物理学専攻修士課程修了 1999年 東京大学大学院理学系研究科地球惑星物理学専攻博士課程修了 1999-2016年 国立研究法人海洋研究開発機構 研究員 2016-2017年 東京大学大気海洋研究所 特任研究員 2017年- 現職 |
所属学会 | 日本気象学会, 日本地理学会, 日本地球惑星科学連合 |
プロジェクト | 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)フィリピンにおける極端気象の監視・警報システムの開発」 ACRE Japan |
居室 | 理学部8号館 8-2-08号室 |