研究者情報

木村 敦

准教授

KIMURA Atsushi

哺乳類の生殖ゲノム機能学

生物科学部門 生殖発生生物学分野

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研究テーマ

哺乳類の生殖におけるゲノム機能を解明するために、配偶子形成、特に精子形成における転写調節メカニズムを多機能性ゲノムと長鎖非コードRNAから解き明かす。

研究分野ゲノム生物学, 生殖生物学
キーワード精子形成, 転写調節, 長鎖非コードRNA, エピジェネティクス, 多機能性ゲノム, エンハンサー, プロテアーゼ, 卵巣, 顆粒膜細胞, 精巣, 胎盤, マウス, ヒト

研究紹介

哺乳類ではタンパク質をコードする配列すなわちエクソンはゲノム全体の2%以下にすぎず、残りの98%以上の配列がどんな役割を持つのかは今でも解明されていません。私はこの98%のゲノム配列が持つ機能を生殖という現象において研究しています。生殖とは次世代に命をつないでいくことですが、その中でも私は配偶子形成、特に精子形成のメカニズムを研究しています。
精子形成では精子のもとになる精原細胞が減数分裂を行いますが、この時たくさんの遺伝子が特異的に転写活性化され、そのことが精子形成を正常に進めるために極めて重要なのです。ところが、この減数分裂における転写活性化の分子メカニズムはよくわかっておらず、私はエクソン以外のゲノム配列の機能を探ることによって、この課題を解明しようとしているのです。これまでに、「dual promoter-enhancer」と呼ばれる多機能性ゲノム配列と「long noncoding RNA」と呼ばれる翻訳されずに機能するRNA分子がこの転写活性化に重要であることを発見しました。これらの詳細について研究を続けることで、精子形成の全容解明につなげるとともに生殖におけるゲノム機能の一端を明らかにしようと考えています。

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哺乳類の精子形成を表しています。有糸分裂によって増えた精原細胞が、減数分裂を経て精細胞となり、精細胞は精子変態によって精子になります。

代表的な研究業績

Satoh Y., Takei N., Kawamura S., Takahashi N., Kotani T., and Kimura A.P. (2019) A novel testis-specific long noncoding RNA, Tesra, activates the Prss42/Tessp-2 gene during mouse spermatogenesis. Biol. Reprod.100: 833-848.
Kimura A.P., Yoneda R., Kurihara M., Mayama S., and Matsubara S. (2017) A long noncoding RNA, lncRNA-Amhr2, plays a role in Amhr2 gene activation in mouse ovarian granulosa cells. Endocrinology 158: 4105-4121.
Yoneda R.*, Satoh Y.*, Yoshida I., Kawamura S., Kotani T., and Kimura A.P. (2016) A genomic region transcribed into a long noncoding RNA interacts with the Prss42/Tessp-2 promoter in spermatocytes during mouse spermatogenesis, and its flanking sequences can function as enhancers. Mol. Reprod. Dev. 83: 541-557. (*equally contributed) (Featuring the cover image)
Kurihara M., Shiraishi A., Satake H., and Kimura A.P. (2014) A conserved noncoding sequence can function as a spermatocyte-specific enhancer and a bidirectional promoter for a ubiquitously expressed gene and a testis-specific long noncoding RNA. J. Mol. Biol. 426: 3069-3093.
木村敦、佐藤優衣、丸山優樹「マウス精巣減数分裂過程の一次精母細胞における転写活性化機構」比較内分泌学 Vol.44 No.164 p58-62, 2018年
学位博士(理学)
学歴・職歴1996年 北海道大学理学部生物学科動物学専攻 卒業
2001年 北海道大学大学院理学研究科生物科学科 博士後期課程修了
2001-2005年 ペンシルベニア大学医学部遺伝学部門 博士研究員
2005年- 現職
所属学会日本分子生物学会, 日本比較内分泌学会, 日本動物学会, 日本エピジェネティクス研究会, Society for the Study of Reproduction, The Endocrine Society
居室理学部5号館 5-1009室
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所属・担当