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リュウグウ起源天体の水循環が作り出すクロム同位体不均質小惑星帰還試料の同位体分析における重要な指針を提示

東京工業大学 理学院 地球惑星科学系の横山哲也教授、東京大学 大学院理学系研究科の飯塚毅准教授と橘省吾教授、北海道大学 大学院理学研究院の圦本尚義教授らの研究グループは、Cb 型小惑星(用語 1)「リュウグウ」の同位体組成(用語 2)を測定し、リュウグウで生じた激しい水質変成と水循環により、クロム同位体組成の局所的な不均質が生じたことを突き止めました。

本研究成果は、日本時間 2023 年 11 月 9 日に、Science Advances 誌にオンライン掲載された。

【用語説明】
(1) Cb 型小惑星:小惑星とは、主に火星と木星の間に存在する大きさが数 km から数百 km 程度の小天体である。小惑星を光で観測すると、表面の化学組成の違いに応じて異なる特徴(スペクトル)を示す。Cb 型はスペクトル分類の一種で、炭素を多く含む小惑星である。
(2) 同位体組成:元素には中性子の数が異なるため、原子 1 個あたりの重さが異なるものが存在する。例えばクロムは中性子数が 26 個、28 個、29 個、30 個の 50Cr、52Cr、53Cr、54Cr の 4 種類が存在する。同位体組成とは、各々の同位体の存在度を表したものである。同位体組成の違いは、物質が異なる起源を持っていることの証拠となる。

タイトル:Water circulation in Ryugu asteroid affected the distribution of nucleosynthetic
isotope anomalies in returned sample (小惑星内部の水循環がリュウグウ試料の核合成起源
同位体異常に影響を与えた)
掲載誌:Science Advances
DOI:10.1126/sciadv.adi7048

概要につきましては、プレスリリースをご参照ください。