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北谷の植物化石から恐竜時代の植物の分子を検出 残った化学成分から植物化石の類縁と特徴を探る

植物の分類には種子や果実などの特徴が重要です。そのため、化石としてよく見つかる葉だけでは、どの植物の仲間なのかを判断するのは困難です。北海道大学、福井県立大学、福井県立恐竜博物館の研究グループは、福井県勝山市の北谷恐竜発掘現場で得られた、約1億2000万年前(前期白亜紀)の枝や葉などの植物化石4点の化学成分を分析し、それらを化学成分から分類できるのかを探りました。

ブラキフィルムとよばれる針葉樹類の枝葉の化石(図1)からは、現在は南半球にしか生育しないナンヨウスギの仲間と共通する化学成分が見つかりました。この結果は、前期白亜紀の日本にナンヨウスギの仲間が生育していたことを裏付けるものです。また、白亜紀の終わりに絶滅した裸子植物であるタイロフィルムとよばれるベネチテス類の葉(図 1)からは、“松脂”に由来すると考えられる化学成分が多く見つかりました。ベネチテス類の類縁は長らく謎でしたが、ベネチテス類と針葉樹類が近縁であることが最近指摘されています。本研究は、ベネチテス類と針葉樹類が近縁であるという仮説を、化学成分から初めて支持しました。

こうした「化学成分の化石」は、過去の植物やそれらが生育した環境を調べるためにも使われます。今後、それぞれの植物が持つ固有な化学成分をさらに調べていくことで、当時の植物多様性や生態系の理解が深まると期待されます。

【論文情報】
論文名:Extended tetracyclic diterpanes and pimarane-type diterpenoids from Lower Cretaceous plant fossils(Kitadani Formation, Japan): chemotaxonomic and diagenetic implications
和訳:下部白亜系北谷層の植物化石に含まれる側鎖伸長型四環性ジテルパンと、側鎖伸長型を含むピマ
ラン型ジテルペノイド:化学分類学的および続成作用上の意義
掲載誌:Organic Geochemistry
オンライン公開:2026年9月25日
DOI:https://doi.org/10.1016/j.orggeochem.2026.105314

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