研究テーマ | 場と物質のエネルギー混成状態がもたらす電子移動反応への影響解明とその応用性の探索 |
研究分野 | 物理化学, 非線形科学, 非平衡化学, 界面化学, コロイド化学, 電気化学 |
キーワード | 自己組織化, ナノ粒子, 水の電気分解, プラズモン, 強結合 |
研究紹介
電磁波が微小空間に閉じ込められると、そこに存在する物質の振動・電子エネルギー準位との量子的な重なりあいが生じ、場と物質の相互作用による新たなエネルギー混成状態、すなわち強結合状態であるポラリトンが形成されます。本研究では、強結合状態を達成可能な共振器や構造電極を作成し、実験と理論の双方から、様々な物質の強結合状態を物質選択的かつ効率的に達成する条件を探索します。さらに、それらの条件を種々の電気化学反応を含む広義の電子移動反応とカップリングすることで、強結合状態が電子移動反応へと及ぼす影響を詳細に調査し、エネルギー化学や機能性化学、材料化学における強結合状態の新たな可能性を開拓します。
代表的な研究業績
Oppositely Charged Nanoparticles Precipitate Not Only at the Point of Overall Electroneutrality, M. Itatani, G. Holló, D. Zámbó, H. Nakanishi, A. Deák, and I. Lagzi, J. Phys. Chem. Lett. ,2023, 14 , 9003–9010.
Synthesis of Zeolitic Imidazolate Framework-8 Using Glycerol Carbonate, M. Itatani, N. Német, N. Valletti, G. Schuszter, P. Prete, P. L. Nostro, R. Cucciniello, F. Rossi, and I. Lagzi, ACS Sustainable Chem. Eng.,2023, 11, 13043–13049.
Effect of the Polarity of Solvents on Periodic Precipitation: Formation of Hierarchical Revert Liesegang Patterns, G. Holló, D. Zámbó, A. Deák, F. Rossi, R. Cucciniello, P. L. Nostro, H. Nabika, B. Baytekin, I. Lagzi, and M. Itatani, J. Phys. Chem. B, 2022, 126, 8322–8330.
Phase separation mechanism for a unified understanding of dissipative pattern formation in a Liesegang system, M. Itatani, Q. Fang, I. Lagzi, and H. Nabika, Phys. Chem. Chem. Phys., 2022, 24, 2088–2094.
Programmable Design of Self-Organized Patterns through a Precipitation Reaction, M. Itatani, Q. Fang, K. Unoura, and H. Nabika, J. Phys. Chem. B, 2020, 124, 8402–8409.
関連産業分野
化学
学位 | 博士(理学) |
自己紹介 | 自然界や人工系でみられる複雑な現象を化学を中心に解明し、それらを制御することが研究のモチベーションです。幼少時代から高校・大学まで野球とスキーをしていました。やってみなきゃわからない、見てみないとわからないをモットーに日々学生と研究に勤しんでいます。 |
学歴・職歴 | 2017年 山形大学理学部物質生命化学科 卒業 2019年 山形大学大学院理工学研究科 博士前期課程 修了 2019年 日本学術振興会 特別研究員(DC1) 2022年 山形大学大学院理工学研究科 博士前期課程 修了 2022年 日本学術振興会 海外特別研究員 2022年 ブダペスト工科経済大学(ハンガリー) 物理学科 博士研究員 2024年- 現職 |
所属学会 | 日本化学会, 日本物理学会, 日本電気化学会, 日本分光学会 |
プロジェクト | JST GteX(革新的GX技術創出事業) 「グリーン水素製造用革新的水電解システムの開発」 (JPMJGX23H2) 文部科学省データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト「再生可能エネルギー最大導入に向けた電気化学材料研究拠点」(DX-GEM, JPMXP1122712807) 北海道大学 フォトエキサイトニクス 研究拠点 |
居室 | 理学部6号館 7-09室 |