研究テーマ | 有機機能性物質の選択的同位体置換による核磁気共鳴 |
研究分野 | 固体物理学, 核磁気共鳴, 分子性固体 |
キーワード | 有機超伝導体, 核磁気共鳴(NMR), 選択的同位体置換, 低温測定, 測定システム開発 |
研究紹介
超伝導や磁性、誘電性などの結晶の物性は主に無機イオンを構成要素とする無機物において詳細に研究されてきました。しかし白川博士のノーベル賞に代表されるような有機分子で伝導体を作ることや超伝導、強磁性、強誘電性を示す有機結晶が精力的に開発されている。分子性結晶には、100程度の元素の組み合わせの無機物に比べほぼ無限の分子の自由度があり分子の特徴や結晶となったときの性質など物質科学の対象としては興味深い。そのような物質群の物性の発現のメカニズムを微視的な核磁気共鳴(NMR)というプローブを用いて研究している。漠然と測定するのではなく戦略的にNMR活性なサイトを選択的にラベルする選択的同位体置換NMRは、世界的に特徴のある実験法でありその先端に位置する。
また、市販の測定器では対応できない100μgオーダーの単結晶を多重極限状態(低温、高圧、高磁場)で測定可能なシステムが研究の前提となることから、プローブや測定回路等のハードウェアはデータの高速転送などソフトウェアの開発も行っている。
分子の合成と物質の探索という化学的な領域と多重極限物性測定という物理的な領域また、技術開発など工学的な領域で専門横断的に研究を行っている。