研究テーマ | 哺乳類および鳥類の性決定メカニズムの解明 |
研究分野 | 生殖発生学, 遺伝学, ゲノム進化学, 分子生物学 |
キーワード | 性決定, 遺伝子, 性染色体, Y染色体, X染色体, 生殖腺, ゲノム, 哺乳類, 鳥類, トゲネズミ, ニワトリ, ニホンウズラ, エミュー |
研究紹介
哺乳類や鳥類を対象に、オスとメスがどのように決まるのか、性決定の分子メカニズムを明らかにすることを目標としています。
哺乳類の性染色体は、メス(女性)がXX型、オス(男性)がXY型です。なぜなら、Y染色体上の「SRY遺伝子」をもつとオス(男性)になるからです。このような性の決定のスイッチとなる遺伝子のことを「性決定遺伝子」とよびます。しかし、日本固有のアマミトゲネズミは、Y染色体をもたず、SRY遺伝子も完全に失っています。私は、SRYなしにどのように性が決まるのか、Y染色体はなぜ、どのように消えてしまったのかを明らかにしようとしています。
一方で鳥類は、メスがZW型、オスがZZ型です。性決定の分子メカニズムは、哺乳類に比べて研究が遅れており、不明な点が多くあります。鳥類の性決定は、Z染色体上の遺伝子により決定されるという説と、W染色体上の遺伝子で決定されるという説が提唱されています。前者の候補となるZ染色体上の性決定遺伝子はすでに報告されていますが、後者のW染色体上の遺伝子は、まだみつかっていません。私は、W染色体上の性決定遺伝子を発見するために、ニワトリ、ニホンウズラ、エミューなどを用いて研究を進めています。
代表的な研究業績
Kudo R, Yoshida I, Ceron LM, Mizushima S, Kuroki Y, Jogahara T, Kuroiwa A.
Cytogenet Genome Res. 162(11-12):632-643, 2023.
Terao M+, Ogawa Y+, Takada S, Kajitani R, Okuno M, Mochimaru Y, Matsuoka K, Itoh T, Toyoda A, Kono T, Jogahara T, Mizushima S, Kuroiwa A (+equally contribution)
Proc Natl Acad Sci U S A.119(49):e2211574119, 2022.
DOI: 10.1073/pnas.2211574119
Okuno M+, Miyamoto M+, Itoh T, Seki M, Suzuki Y, Mizushima S, Kuroiwa A (+equally contribution)
Sci Rep. 10:20073, 2020.
Ogata Y, Nishikata M, Kitada K, Mizushima S, Jogahara T, Kuroiwa A
Dev Dyn. 248:784-794, 2019.
Nakata T, Ishiguro M, Aduma N, Izumi H, Kuroiwa A
Proc Natl Acad Sci U S A., 110:3417-3422. 2013.
DOI: 10.1073/pnas.1218714110
関連産業分野
学位 | 博士(農学) |
学歴・職歴 | 1997年 名古屋大学農学部 資源生物環境学科 卒業 1999年 名古屋大学 大学院生命農学研究科 博士前期課程 畜産学専攻 修了 2002年 名古屋大学 大学院生命農学研究科 博士後期課程 応用分子生命科学専攻 修了 2001-2003年 日本学術振興会特別研究員 2003-2005年 北海道大学 先端科学技術共同研究センター 講師 2005-2008年 北海道大学 創成科学共同研究機構 講師 2008-2009年 北海道大学 大学院理学研究院 講師 2009-2016年 北海道大学 大学院理学研究院 准教授 2016年- 北海道大学 大学院理学研究院 教授 |
所属学会 | 日本分子生物学会, 染色体学会, 日本遺伝学会, 日本進化学会 |
居室 | 理学部5号館 11-05室 |
備考 | 出版 |