研究者情報

松岡 和

助教

MATSUOKA Wataru

計算化学に基づく新たな触媒の設計

化学部門 物理化学分野

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研究テーマ

バーチャル配位子法の開発を遷移金属触媒反応開発への応用

研究分野理論化学, 計算化学, 有機金属化学, 有機化学
キーワード遷移金属触媒, バーチャル配位子法, インシリコ触媒設計

研究紹介

医薬品や有機電子材料など、我々の身の回りにある多くの化学物質は触媒を用いて合成されています。新たな触媒の発見は、合成の効率化や未知の分子の発見を通じて我々の生活を豊かにします。従来、有用な触媒の発見は、化学者の知識と経験をもとに何百回と実験を繰り返すことで達成されてきました。このようなトライアンドエラーに基づく方法論では、触媒開発に時間や労力を必要とするうえ、限りある資源を浪費してしまいます。我々の研究では、量子化学計算を基軸にコンピュータ上での触媒設計を実現します。バーチャル配位子法という独自に開発した計算手法を用いて、目的の反応を進行させうる触媒を効率的に探索します。

代表的な研究業績

Virtual Ligand-Assisted Screening Strategy to Discover Enabling Ligands for Transition Metal Catalysis,
Matsuoka, W.; Harabuchi, Y.; Maeda, S. ACS Catal. 2022, 12, 3752–3766.
Virtual Ligand Strategy in Transition Metal Catalysis Toward Highly Efficient Elucidation of Reaction Mechanisms and Computational Catalyst Design,
Matsuoka, W.; Harabuchi, Y.; Maeda, S. ACS Catal. 2023, 13, 5697–5711.
Highly Chemoselective Ligands for Suzuki–Miyaura Cross-Coupling Reaction based on Virtual Ligand-Assisted Screening,
Matsuoka, W.; Harabuchi, Y.; Nagata, Y.; Maeda, S. Org. Biomol. Chem. 2023, 21, 3132–3142.
Diversity-Oriented Synthesis of Nanographenes Enabled by Dearomative Annulative π-Extension,
Matsuoka, W.; Ito, H.; Sarlah, D.; Itami, K. Nat. Commun. 2021, 12, 3940.
π-Extended Rubrenes via Dearomative Annulative π-Extension Reaction,
Matsuoka, W.; Kawahara, K. P.; Ito, H.; Sarlah, D.; Itami, K. J. Am. Chem. Soc. 2023, 145, 658–666.

関連産業分野

化学, 医薬品, 有機電子材料
学位博士(理学)
自己紹介

愛媛県出身です。これまでに遷移金属触媒反応の開発と理論計算による触媒設計法の開発に携わってきました。ライブやフェスに行くのが趣味です。

学歴・職歴2016年 名古屋大学理学部化学科 卒業
2018年 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻 博士前期課程修了
2021年 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻 博士後期課程修了
2021年 北海道大学 博士研究員
2022年- 現職
所属学会日本化学会, 理論化学会
プロジェクト前田化学反応創成知能プロジェクト
居室創成研究棟 3-317号室